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インドネシアの人はマレー語が話せる!?

マレーシアとインドネシア。

海をはさんで隣り合った2つの国は、ナシゴレンやミーゴレンなどの料理が名物だったり、多様な民族が共存している多民族社会を形成していたりと、文化や慣習、宗教において、共通点が多くあります。

そして、使われている言語もまた、よく似ているといわれています。

マレーシアで生活をした経験のある私は、日常会話レベルのマレー語であれば、聞いたり話したりすることができます。

以前、ひとりでミャンマーへ旅行をした際、観光地で写真撮影をしている隣の人から聞き慣れた言葉が。

勇気を出してマレー語で、
「Boleh saya ambil gambar?(写真を撮ってくれますか?)」
と声を掛けたところ、
「Boleh! (もちろん!)」の返事で、快く撮影してくださった観光客がいました。

異国でマレーシアの人に出会えたこと、自分のマレー語が通じたことが嬉しくなり、さらに、
「Dari mana di Malaysia? (マレーシアのどこから来たの?)」
と尋ねると、その人は、
「Actually, Saya orang Indonesia. (実は、私はインドネシア人です。)」
と。

マレーシア人と決めつけて話していた私は、『え、普通にマレー語で会話できているに、マレーシアの人じゃないんや💦』とおどろいたことがあります。

インドネシアの人に撮影してもらった一枚。ミャンマーのチャイティーヨー・パゴダにて。

マレー語って、インドネシアの人にも通じるんだと実感した私は、先日、大阪市内にあるインドネシア料理店へ。

入店するなり、マレーシア在住時によく聞いたガムラン(※ドラや打楽器による伝統的な音楽)の音色が聞こえ、バティック(※インドネシアやマレーシアの伝統衣装)を着たインドネシア人の店員さんに出迎えられました。

まだインドネシアを訪れた経験はありませんが、お店のメニューは懐かしい名前の料理がたくさんありました。なにを食べようかしばらく悩んでいると、留学生っぽいインドネシア人グループが来店。

故郷の味が恋しくなったんだろうなぁと思いながら、注文を済ませ料理を待っていると、やっぱりグループの会話からは私の知っているマレー語がチラホラ聞こえてきます。

インドネシア料理店で食べたルンダン。辛さ控えめでおいしかったです。

食後、店員さんが話しかけてきたタイミングでマレー語ができる旨を伝えると、

店員さん「Kapan pergi ke Malaysia? 」
私「???」「” Kapan” apa? (『Kapan』ってなんですか?)」
店員さん「いつ、マレーシアに行きましたか?」
私「あ~、” Bila” (マレー語で『いつ』の単語)ですね!」
店員さん「あ~、そうです。Bahasa Melayu ”Bila”!(マレー語だと”Bila”ですね。)」

ついに、マレー語とインドネシア語で異なる単語を見つけました!笑

詳しく聞くと、同じ単語でも意味が違っていたり、イントネーションが違ったりするそうです。
それでも、マレーシアの人と会話をしても、会話の約7割は通じるそう。似ているとはいえ、そこまで通じるのはおもしろいですね!

後日、両国の言語の起源を調べてみると、もともとインドネシアは、島ごとにさまざまな言語が使われており、ジャワ語やバリ語、スンダ語・・・など、民族ごとに異なる言葉を使用していたようです。

そこで、1945年の第二次世界大戦の終戦を機に、当時のスカルノ大統領が多民族をひとつに治めるため、言語の統一化を画策します。
なかでも、用法が比較的簡単で、交易などインドネシア国内でも普及していたマレー語をベースに、国語(インドネシア語)を定めました

長くオランダの植民地だったことや、ジャワ人が多かったこともあり、オランダ語やジャワ語の影響を受けながら、徐々に独自の言語が形成されていったのが現在のインドネシア語だそうです。

まさに、マレー語とインドネシア語は、きょうだいのような関係だったんですね!

インドネシアの人がマレー語を理解できる理由がよくわかったので、今度はインドネシア語を勉強して、マレーシアの人に話しかけてみようと思います。


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