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子どもたちに求める“強度”って大人の見たい“頑張ってる感”じゃない?って話

フィジカルフィットネスC級の講習会に参加して、サッカーの現場における“強度”というものを勉強した。

講習会内で、「Evidenceに基づいて」ということをインストラクターさんが何度もおっしゃっていたけれど、まさにそれを学びたかったのでとても有意義な講習会となった。

さて、この数ヶ月で所属するチームのボクの周りでいろいろと変化があって、U-10担当コーチが1人増え、新メンバーも2名入団。

いろいろと落ち着かない日々だったけれど、その中で特にボクにとってしんどかったのは、新しく加わったサブコーチが、ひたすら“強度”を求めること。
トレーニングの合間にもっと走らせて疲れさせろ、疲れて状態でプレーできるようにしろ、ととにかく隙間の時間に走らせるように求めてくるのだ。

もっと“強度”が必要だ!
“強度”が足りない!

“強度”ってなんだろう?というのは、日本サッカー界で“インテンシティー”という言葉が流行った頃からのボクの疑問だったんだけど、何となくわかっていても、その根拠とか基準とかって何なのか、というのがやっぱりボクには必要で。
だから、安易に“強度”という言葉を使うことはできなかったわけで。

それを簡単に“強度”という言葉を口にするサブコーチ。話を聞いてると、そのコーチの観た感覚の話でしかなく。
子どもたちにも、もっと頑張れ!もっとやれ!と言い、ボクが子どもであったなら、頑張ってるんだけどな…と思っちゃうなぁと。

そこでボクは、“強度”というよりは“頑張る”ということをもう少し具体的に、何かみんなの中で統一された基準のようなものを示したいなと思って、最近のトレーニングや試合のテーマはこれ。

『本気でプレーする』

本気でプレーするっていうのは、まずはトレーニングなどでプレーの方法などを示しているわけだから、それを思い出して“正しく”プレーすること(何が正しいとか正しくないとかの議論は今はしない、トレーニングでやってることを“正しい”ことだとしようというだけのこと)。そして、頭も心も体も気を抜かずに“連続で”プレーすること。

トレーニングでやってきた“正しい”プレーを気を抜かずに“連続で”プレーすることを『本気でプレーする』こととして取り組んでもらってる。

“強度”という言葉よりも、子どもたちにはしっくりくるだろうし、ただもっと頑張れ!もっとやれ!と言われるより、何したらいいかな?と考えられるかなと思うし。
がむしゃらにやるのも悪くないけど、ボクはコーチなんだから、そのがむしゃらさを良い方向に導いてあげる必要があるんじゃないかなぁと思う。

もっと頑張れ!もっとやれ!と言っても、子どもたちだって人間だし賢いからだんだん反発されるようになる。大人の感覚的な話で頑張らせるってのは、単に“頑張ってる感”を見たいだけで、それが見えたら大人が勝手に満足してるだけ。いろいろとズレてる。

“強度”ってちゃんとEvidenceのあるものだし、それに基づいて調節していくもの。大人が勝手に満足するための“頑張ってる感”なんかじゃない。
ボクはそれを学んできたんだから、きちんと“強度”について考えながらトレーニングを組んでいく。実際、すでに少しずつトレーニングの内容も変化させてる。

子どもたちが変に“頑張ってる感”出してプレーするんじゃなくて、夢中でプレーする中でいつの間にか“強度”を出せるようにトレーニングを考えていきたい。たとえ、それでは甘い!とサブコーチに思われようとも、言われようとも。

だって、子どもたちがサッカーをしてるのって楽しいからだし、夢中になれるからだから。
ボクも夢中で彼らとトレーニングしよう、試合に挑もう。
楽しいサッカーにもっと夢中になろうよ!