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新年度に張り切りすぎない〜春うつに要注意

はじめに

春。新たな年度の始まりとともに、私たちの心にも新しい期待が芽生えます。
それと同時に、子供たちが進級し新学期を迎えるこの時期は、希望と不安を感じやすい瞬間です。新生活のスタートラインに立つ子供たちへの期待と、自身の仕事への意気込みが、しばしば私たちを張り切らせ、時にはそのアクセルを強く踏みすぎてしまうことがあります。

しかし、1年は思っているよりもずっと長いマラソン。最初から全速力で走り出すことが必ずしも最善ではなく、途中で息切れしてしまうリスクがあるのです。

この記事では、新年度を迎えるにあたり、私と同じワーママの皆さんが適切なペース配分で物事に臨むことの重要性に焦点を当て、春うつなどの精神的な問題に陥らないためのアドバイスを共有します。少しずつアクセルをかけていくことの大切さ、そして何よりも、私たち自身と子供たちに過度な期待をせず、それぞれのペースで新生活に適応していくことの意識をお伝えしたいと思います。

「年中さんになったんだから」の重圧

新年度が始まり、心新たに様々な計画を立て、目標を設定する時期がやってきます。子供たちが新しい学年に進むこの時は、私たちにとっても新たな挑戦の始まりを意味します。しかし、この新しいスタートにあたり、私たちはしばしば自分自身や子供たちに対して過剰な期待を抱きがちです。

我が家には、この春年中さんに進級した長男がおります。

私はつい、

「年中さんになったんだからお母さんに言われなくても自分でお着替えしようね」
「年中さんになったんだからお箸でしっかり食べようね」
「年中さんになったんだからおねしょはしないよね」

なんて声をかけてしまいそうになります。

この「年中さんになったんだから」といった言葉は、期待の表れとしてよく使われますが、それがプレッシャーとなり、子供たちを追い詰めてしまうこともあります。

私たち自身も「新年度だ」と意気込んで、最初の数週間で全てを成し遂げようとするこの「張り切り過ぎ」は、短期間での成果は見られるかもしれませんが、長期的には逆効果になることがあります。このようなペースで進むと、体力や精神力が持続しないため、途中で息切れしてしまい、結果的には目標達成が困難になってしまいます。

子育てしながら働くワーキングマザーやワーキングファザーは、仕事と家庭のバランスを保ちながら子供のサポートも行う必要があり、そのプレッシャーは計り知れません。新生活の始まりにおいて、私たち自身と子供たちに対してリアルな目標を設定し、少しずつ前進することが、結果的にはより大きな成功へとつながります。また、その過程で適宜ペースを調整する柔軟性も必要です。初めからフルスピードで駆け抜けるのではなく、一歩一歩着実に進むことで、息切れすることなく、新年度の目標達成に向けて、長期的な視野で物事を見ることができます。

子供達の感受性と変化への適応

新しい環境への適応には、大人であっても時間が必要です。子供たちにとって、この必要性はさらに大きくなります。新学期の始まりは、新しいクラス、新しい先生、時には新しい友達との出会いを意味します。これらは全て、子供たちにとって大きな変化であり、心理的なストレスを引き起こす可能性があります。

子供たちは変化に敏感です。新しい環境や期待に適応するためには、安定したサポートと理解が必要です。我が家では、年中になった長男が変化を事前に察知して不安定な様子を見せることがよくあります。
例えば、私が転職した際には、私の緊張が息子に伝わり、チック症状が現れました。しかし、仕事が安定し始めるとその症状も消えました。
また、2歳になる娘も新学期の疲れからか、帰宅後にぐずることが増えました。これらは、子供たちが変化に対していかに敏感であり、頑張っているかを実感させられる出来事です。

変化が生じる前には、その変化について話し合い、心の準備をさせることが重要です。

休日も、学校や日常から一時的に離れる貴重な時間です。休日には意識的にリラックスする時間を設け、家族でゆったりと過ごすことが子供たちにとっては特に重要です。これにより、子供たちは精神的なバランスを取り戻し、新しい一週間に向けてエネルギーを蓄えることができます。

先に、「年中さんになったから」という重圧をかけすぎないようにする重要性について触れましたが、期待をポジティブな形で伝えることも可能です。何か頑張ったり、新しいことができたりした時に、「さすが年中さん!」と声をかけると、彼は満足げに微笑みます。子供たちはこのような肯定的なフィードバックによって自信を得ることができ、新しい挑戦に対しても前向きな姿勢を保つことができます。

子供たちが新しい環境に適応し、心地よい保育園・学校生活を送るためには、親の理解とサポートが不可欠です。子供たちの変化への適応を助け、ポジティブな言葉で彼らを励ますことが、新年度を迎えるにあたっての鍵となります。

Voicyでもあきえさんが語っておられます↓

春うつは意外と身近な脅威

さて、ここからは大人に焦点を当ててみましょう。春は新生活が始まる季節であり、多くの人にとって希望に満ちた時期です。しかし、この変化の多い時期は、同時に心身のバランスを崩しやすく、「春うつ」に陥りやすい時期でもあります。春うつは、気温の変化、日照時間の増加、新生活へのプレッシャーなど、複数の要因によって引き起こされると言われています。

気候の変化は、実際に人々の体に大きな影響を与え、自律神経を乱します。私は過去に精神科の作業療法士として勤めていましたが、春になると患者さんの中で調子を崩す人が確実に増えました。スタッフの間では、調子の悪い患者さんをサポートしながら「春ですね」と会話することもしばしばありました。

これは、病気を持っていない私たちにも多かれ少なかれ当てはまるものです。特に新年度のスタートに際して過度にストレスを感じている人は、注意が必要です。春うつの兆候には不安感、睡眠障害、集中力の低下、無気力、食欲不振などがあります。これらの症状は、新しい環境や生活リズムの変化に適応しようとする心身の負担から生じることが多いです。春の訪れと共にこれらの症状が現れた場合は、春うつの可能性を考え、適切な対処が必要です。

対処法

• 日常生活のリズムを整える: 規則正しい生活リズムを心がけ、十分な睡眠を取ることが重要です。
• 適度な運動を取り入れる: 身体を動かすことで、ストレスを軽減し、心身のバランスを整えることができます。
• 栄養バランスの良い食事をする: 体内の栄養バランスを整えることで、心身の健康を支えます。

当たり前と言えば当たり前のこれらの対処法を、つい張り切りすぎて忘れがちな人も多いのではないでしょうか?4月だからこそ、これらのことを意識して生活したいと私自身も感じています。

家族とのコミュニケーションの重要性も忘れてはなりません。春うつに対する理解とサポートは、特に家族からのものが重要です。家族間でのコミュニケーションを深め、心に余裕を持つことが春うつの予防につながります。また、家族が一緒に過ごす時間を大切にすることで、互いの気持ちを理解し合い、支え合うことができます。

春うつは、決して個人の弱さから生じるものではありません。新生活の始まりに伴う心身のストレスが原因であり、適切な対応を行うことで、乗り越えることが可能です。自身や家族が春うつの兆候を感じたら、早めに対処し、新たな季節を健やかに迎える準備をしましょう。

新年度を心地よく過ごすための実践アドバイス

新年度を迎えるにあたり、健康的で充実した生活を送るためのアドバイスを改めて整理しました。ここでは、新生活のスタートをより良いものにするための具体的な方法をご紹介します。

1. 目標設定は小さく、細かく
新年度の目標設定は、具体的かつ現実的なものにしましょう。4月は、特に無理をせず、年間を通じて継続できるペースを見つけることが大切です。大きな目標も良いですが、それを達成するための小さなステップを定め、少しずつ実行していくことが重要です。こうすることで、達成感を頻繁に味わい、モチベーションの維持がしやすくなります。

2. 生活リズムを整えることを最優先する
規則正しい生活リズムは、心身の健康にとって非常に重要です。十分な睡眠、バランスの取れた食事、定時に行う軽い運動など、日々のルーティンを整えることを優先しましょう。生活リズムが整うと、ストレスに対する耐性も強くなり、日々の仕事や学業も効率良く進めることができます。

3. 自分へのご褒美をうまく使いストレスをコントロールする
小さな目標を達成した際には、自分自身にご褒美を与えることで、次へのステップのモチベーションにつなげましょう。ご褒美は、好きな食べ物を食べる、欲しかったものを購入する、趣味の時間を持つなど、自分にとって喜びとなるものであれば何でも良いです。これにより、ストレスを上手く管理し、日々の生活に小さな楽しみを見つけることができます。



4. ポジティブなマインドセットを持つ
どんな状況でもポジティブなマインドセットを持つことは、新生活を乗り切る上で非常に重要です。挑戦や変化に対して前向きな姿勢を持つことで、困難な状況も乗り越えやすくなります。また、失敗や挫折を経験しても、それを成長の機会と捉え、次への一歩とすることができます。

5. 子どもの感情を受け止め、対話を大切にする
子どもが新しい学年や環境に適応する上で、親との対話は非常に重要です。子どもが感じている不安や期待、小さな成功体験を共有することで、親子の絆を深めることができます。子どもが話をする時は、じっくりと耳を傾け、その感情を受け止める姿勢を示しましょう。また、子どもの意見や感情を尊重することで、自己肯定感を育み、新しい挑戦に対する自信につながります。


新年度のスタートは、一つの節目です。この機会に、自身と家族のために、心地よい新生活を送るための準備をしてみてはいかがでしょうか。心身の健康を第一に考え、新しい一年を楽しく、充実したものにしていきましょう。

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