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私が育児日記を続ける理由:始め方から振り返りまで

はじめに

「子育て」は親にとって一生のうちで得られるものが大変大きく、しかし同時に最も挑戦的な経験となります。かくいう私も、子供を持ってからの4年間は「子育て」が私の行動の主軸を担っていると感じます。全ての物事に対してその言動のバックボーンに子供たちの存在があり、頭に浮かぶのは子育てのこと、口にするのも子育てのことが圧倒的な多いと思います。

そんな私にとって、「日々の成長や変化を記録する」ことは、見逃しがちな価値ある瞬間を捉える有効な手段です。育児日記を書く理由は単に記録を残すこと以上の意味を持ちます。それは、子供の微細な発達を観察し、育児の中で直面する多くの瞬間を意味深く捉えるプロセスです。

子供が生まれてから4年間、現在進行形で育児日記をつけ続けている私。
この記事では、育児日記がどのようにして子供をより深く理解するための鍵となり、子供と親双方の成長を記録する重要な役割を果たすのかを探ります。

子供を深く理解するための鍵: 観察

育児の日々は、忙しさや一瞬の喜びで満ちています。しかし、それぞれの瞬間が重要な発達の手がかりを秘めていることを見落としがちです。育児日記を書く習慣は、ただ記録をつける以上の意味を持ちます。それは、子供の行動、反応、そして成長の細かいニュアンスを観察する習慣を育みます。この観察は、子供の特性や長所をより明確にし、それを基にした子育てや教育へのアプローチを可能にします。

観察することは、子供の世界を理解し、彼らがどのように感じ、どのように学び、どのように反応するかを深く掘り下げることを意味します。

例えば、私の息子は電車が大好きです。電車のおもちゃで楽しく遊ぶことが多いのですが、その遊び方には彼の成長の軌跡が見え隠れしています。
・はじめは、車両を並べても先頭車や中間車がバラバラに配置されていました。
・しかし、いつのまにか車両をきちんと並べるようになりました。
・車両の名前も覚え、好きな新幹線の名前に使われているひらがなだけは読めるように。
・並べた車両を数え始め、最近では足し算の概念を理解するようになったのも驚きです。

電車遊び一つをとっても、こんな風にどんどんと遊びを通じて成長が感じられます。机に座ってワークをやらせようとしても全く意欲的になりませんが、電車を使った学習なら楽しく進めていけそうです。

このように観察を通じて、私たちは子供の個性や学習スタイルをより深く理解し、その特性に合ったサポートを提供できるようになります。私の職業である作業療法士としても、観察を元にしたアプローチは大切なことです。

さらに、育児日記は子供の好奇心や情熱を捉えるツールとしても機能します。息子は「好き」がはっきりしていますが、一方で娘はまだはっきりとした「好き」が見つかっていません。これも今後、しっかりと観察していく重要なポイントです。

育児日記を通じた観察は、親としての自己成長にも繋がります。子供の行動や反応に敏感になることで、私たちは忍耐力、共感力、そしてコミュニケーションの技術を磨くことができます。この習慣は、子供の成長だけでなく、親自身の人間性の成長にも貢献します。子供の行動にイライラしてしまったときも、過去の記録を見返すことで、「この頃に比べてずいぶん成長したものだ」と気付かされることがあります。

育児日記を書くことは、観察することの価値を再認識し、子供の細かな変化を捉えることで、より豊かで意味のある子育ての経験を実現する第一歩です。親子の絆を深め、子供の成長を全面的にサポートするこの習慣は、確実に子供中心の育て方へと導いてくれるでしょう。

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小さな成長の瞬間を捉える

育児の過程では、日々の忙しさに紛れ、子供の小さな成長を見逃してしまうことがよくあります。しかし、育児日記をつけることで、これらの貴重な瞬間を捉え、記録することが可能になります。小さな成長の瞬間とは、初めての単語を話した日、一人でスプーンを使って食事をした時、初めて大きな滑り台を滑れた瞬間など、日常の中に溶け込んでいるかもしれない、しかし非常に価値のある出来事を指します。

最近、息子の成長について育児日記に書いた一コマがあります。
ちょっと前までは、妹に電車を壊されて怒って泣いていただけでしたが、いつの間にか邪魔されそうになったら隣に小さなコースを作ってそっちで遊ばせてあげられるようになりました。
これらの小さな変化は、忙しい日々の中では気づきにくいものです。しかし、育児日記をつける習慣があると、子供を観察する意識が高まり、自然とこれらの成長を捉えることができるようになります。

また、育児には多くの挑戦が伴いますが、育児日記はその挑戦を乗り越える助けにもなります。子供の成長の瞬間を記録することで、育児の成功体験を振り返り、困難な時期を乗り越えるためのモチベーションとなります。

「まだこんなことができない」
「先生にお絵描きができていないと言われてしまった」といった瞬間に落ち込むこともあります。

そうしたとき、以前の日記を読んで子供たちの成長を振り返ると、彼らがどれだけ進歩しているかを実感できます。全く進んでいないという錯覚に陥りがちですが、日記を通じて子供たちの成長を目の当たりにすると、そんなことはないと気づかされます。

育児日記をつけることは、子供の小さな成長の瞬間を見逃さないための素晴らしい方法です。これらの瞬間を記録することで、親は子供の成長を実感し、育児の喜びを再発見することができます。育児日記は、日々の成長を捉えることで、親子共に貴重な体験を提供し、家族の記憶として大切にされるでしょう。

未来の宝物: 読み返す楽しみ

育児日記は、現在の育児の日々を記録するだけでなく、未来の自分や子どもたちにとっての貴重な宝物となります。

時間が経つにつれ、日々の忙しさや成長の細かな変化を忘れがちですが、育児日記はそれらの記憶を永遠に残すことができます。ここからは、育児日記を読み返す楽しみと、それが親子の関係にどのような影響を与えるかを探ってみたいと思います。

記録された思い出の再発見

育児日記を読み返すことは、過去の思い出の宝箱を開けるようなものです。初めての言葉、初めて歩いた日、保育園の初日など、子どもの重要なマイルストーンが日々記録されています。未来の私はすっかり忘れているかもしれない小さな出来事や日常のほほえましい瞬間も、日記を通じて思い出すことができます。
私は普段、ぴよログという育児アプリを使用して日々の子供たちの記録をつけています。そして毎週末、今の日記を書いた後、一年前の日記を読み返すようにしています。
それが本当に楽しくて。一年前とはいえ、忘れてることの多さに驚愕します。

例えば現在1歳11か月の娘なんかは、ちょうど一年前に断乳をしていました。たったの一年前はまだおっぱいを飲んでいたのかと驚かされます。
そして、夜泣きの記録。最近はすっかり朝までぐっすりと眠る彼女が何度も夜目覚めて私を困らせています(笑)本当に懐かしい。

子ども自身の自己発見

この私の育児日記はもしかすると将来的に子ども自身が自分の成長を振り返るための貴重な資料となるかもしれません。自分がどのように成長し、どんな経験をしたのかを知ることは、子どもの自己認識と自尊心を高めるのに役立ちます。また、親が子どもの成長のためにどれだけの愛と努力を注いできたかを理解することで、親子の絆がさらに深まる可能性だって秘めています。

ちなみに私は、大人になってから母親から自分の母子手帳を見せてもらったとき、お母さんが書いてくれているメモを読んで、母親の愛情を実感しました。
将来、子供たちがそんな風に思ってくれたらうれしいな、なんて淡い思いを抱いています。

育児は、時には困難で挑戦的な旅ですが、育児日記を読み返すことで、そのすべての努力がいかに価値があるかを確認できます。子どもたちの小さな達成と成長の瞬間を通じて、親は育児の喜びを再発見し、育てることの深い意義を感じ取ることができます。

始め方のヒント

ここまでお話しした中で、育児日記がただの記録を超え、家族の愛、成長、そして共有された経験を永続的に残す貴重なツールであることがお伝え出来たかなと思います。
育児日記は、日々の忙しさの中で見落としてしまいがちな小さな成長や変化を捉え、未来に読み返す楽しみを提供します。それでは、育児日記を始めるためのいくつかのヒントを見ていきましょう。

簡単に始める

ツールを選ぶ: 紙の日記を使うか、デジタルアプリを利用するかを選びます。手軽さを重視するならアプリが、書き込む楽しみを味わいたいなら紙の日記がおすすめです。
日常の瞬間を記録する: 特別な出来事だけでなく、日常の小さな瞬間や感情も記録しましょう。子どもの笑顔、言葉、遊び方など、些細なことでも大切にします。
定期的に振り返る: 時間が許す限り、定期的に過去の日記を読み返してみましょう。これにより、育児の旅の中での成長を実感できます。

継続は力なり

習慣にする: 毎日または毎週、一定の時間を育児日記の記録に割り当てることで、習慣にします。始めは大変かもしれませんが、時間が経つにつれてその価値を実感できるでしょう。
日記を書くタイミングをリマインドしてもらう:私はiPhoneのリマインダーというアプリを使って普段タスク整理をしているので毎週末育児日記を書くことをリマインドしてもらっています。

書かない期間があってもいい

ちなみに、4年間続けていると自慢げに言ってますが、実は数か月記録を残していない期間が2度ほどあります。それは、娘の妊娠初期と転職後の1か月です。とても日記をつける余裕はありませんでした。しかし、その空白さえも、振り返る際の思い出の一つになっている気がします。かけてなくて完全に辞めてしまうのが一番もったいない。書けないなと思ったら自分が育児日記を書いている理由に立ち戻り、モチベーションアップにつなげています。

育児日記を始めることは、皆さんにとってかけがえのない育児の記録となります。始めることによって、育児の日々がより豊かなものに変わり、未来に大切な記憶として残していくことができます。私と皆さんの育児の旅が、育児日記を通じて、愛と成長の美しい物語となりますように。

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