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船越さんはサスペンスドラマの人ではない!ドラマスペシャル『家栽の人』

昨日、テレビドラマで『家栽の人』が放送された。
以前、マンガやドラマでシリーズ化されてヒットした作品である。

サスペンスドラマでおなじみの顔である船越さんが出演だが

 今回ばかりはちょっと違う。
今回の役どころは家庭裁判所の判事役を演じる。

今回の内容は、子どもがいる夫婦が離婚調停で
どちらが親権を取るか?という内容であった。

 妻はバリバリのキャリアウーマン。
人気ファッション雑誌の編集長で地位や名誉も財もある。
一方、夫はかつて写真業界では敏腕カメラマン。
だが、カメラマンとして仕事をするのに大事な視力が落ちて落ち目になる。
 しかし、夫は夫で子どものため稼業である写真店を継ぎながら娘さんを育てるシングルファザー。

 夫の言い分は、妻に突然出て行かれて慣れない育児や仕事を一気に引き受けることになった。
 それに追い打ちをかけるように子どどもが精神的な不安から退行行動やおねしょなどの症状がでてきて大変な思いで育てている。
 そんな我が子が一番つらい時期なのに妻は家を出て行ってしまった。


つまり、

「母親なら、母親らしく子どもがつらい時には家で面倒を見るのが当然だ!」

という言い分である。

そのような態度もあり妻は妻で家庭を支えるため、子どもの将来のために必死で働くという意図で家を出た。
 確かに妻の言い分も全く分からなくもないし、ごもっともな意見だ。

 夫婦は子どもが3歳頃から離婚。
そのため、子どもが初めて歩いた場面にいなかったり初めて発した言葉が何か全くわからない。
そういう部分で

「母親としての自分はなんだったんだろうか?」

と自信を失くす。
さらに、妻に追い打ちをかけることとして
子どもが初めて発した言葉が


「ママ」

ではなく

「パパ」であった。

ちなみに、主人公の子どもは既に
幼稚園の年長ぐらいに成長している設定だが

例え、子どもが子どもながら父親といる時期が
長いので義理や人情的な意味で
忖度していたとしても確かに、
母親にとってはこれは心に重くズシリとささる一撃のセリフだ。

 私自身も保育園で勤務経験があるが多くの子どもが物心がつく頃
発する言葉の多くは

子どもが誰に強制されることもなく
教えられることもなく

「パパ」よりも

「ママ」

が多い。

しかし、現在子どもを育てる環境は
確実に多様化をしていて今まで通りとは限らない。
 プライバシーのことなので詳細は書けないが
両親のどちらかが日本以外のルーツを持ち日本の環境に馴染めない。
そのため、子どもも親も精神的に不安定になるケース。
育児と親族の介護など両方の役割を一手に抱えるWケアの地方出身者。
両親に何らかの障がいを持ち育児が困難な家庭など挙げれば際限なくある。

 そう考えると当然、今後は子どもが初めて発する言葉は


「パパ」でもある可能性もあるし
「おじいちゃん」
「おばあちゃん」

近所の「○○のおばちゃん」や「✖✖のおじさん」
里親の「△△さん」など
誰でもありの時代が多数派に逆転することは十分にありえる。

そういう意味では、先日の「家裁の人」の脚本家は
時代の流れをよく読んだ作品だと感じた。

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