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【感想63】イノセンツ

今週何も見てないな、て所から始まって、適当に面白そうなタイトルがこれぐらいしかなかったので劇場へ直行。
『わたしは最悪。』と同じ監督だってことは後から知ったけど、かなり納得する感じの空気感だった。

他人に勧めやすい ★★☆☆☆
個人的に好きか  ★★★☆☆

日本で言う団地に住んでいる4人の子供たちが「超能力がある」という気付きをきっかけに発展していく。
最初は小さな石の落下軌道をずらせるとかのちっちゃな能力だったのが、自閉症になっている主人公の姉と意思疎通が行えるどころか意識のシンクロまで辿り着くし、男の子に至っては他人を操ったりと能動的に他人に干渉できる強力なものにまでなる。

冒頭から強調されるのは子供特有の感性。
ミミズを踏み潰そうとしたり蟻の巣穴をつついて遊んだり、虫だけじゃなく自閉症の姉が何も反応しないのをいいことにつねったり靴にガラスの破片を仕込んだりと自分より弱い生き物への容赦なさが立て続けに描写される。

そんな状況で他人に危害を加えられる道具=超能力を持つことになるので、当然容赦なく他人に危害を加えていく。
そのうえ大人は全く関与しない、というより子供たちがあえて伏せていたりと関与させないようにふるまっていたのもあって大人たちが介入する余地がない。

ハリウッドのように視線誘導や音楽での仄めかしといったわかりやすいものはないけれど、自身の幼いころの感性を思い返すと納得してしまう、そのうえでさらに一歩踏み込んだ危うさを見せられるところが神経に悪い世界を終始形作っていた。

映像としては華やかではない+直接的な説明がかなり少ない、とそれなりに人を呼び込める上映館数ではあったけれどなかなか癖のある作品ではあるので、誰かと見に行ったりするには難しいし見てもオモシレッ...となるかは人によってかなり左右される。
他人に薦めたりはしないけど、見てよかったな~と振り返られる、そんな感じの映画。

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