[感想3]君のクイズ

買った理由

この動画見た時に初めてタイトルを知って、何度も何度も何度も棚で表紙を見せつけてくるのが腹が立って1ヶ月越しに購入。

バレなしの感想

正直言って、めっちゃ面白い。

生放送の7問先取のクイズ対決で、MCが最後の問題文を読み上げる前にクイズに正解した。どうして読み上げる前に正解したのか?という謎を究明していく、という内容。

クイズ番組での出来事が発端なこともあって、クイズ番組に関する知識やテクニックが惜しみなく説明されている。ので主人公が思考している際の理屈や経緯は十分理解できる範疇になる。
展開の仕方は生放送中に出題された計15問のおさらいを1つずつ行いながら主人公の過去や対戦相手について調べている最中の出来事を付随させるので、主要人物に対してちゃんと馴染みやすいようになっている。

同じ展開の仕方を繰り返すのでワンパターンに感じるかもしれないけれど、全体で200ページもなく1つ1つのエピソードは短く区切られているのもあってテンポよく最後まで読み進められる。ミステリーチックな作品でもあるので徐々に紐解かれていく様子は先を知りたくなる心理になったのもあり、実際に自分が読んだ時には2時間強ぐらいで読み終わってしまった。

結末というかなぜ答えられたのか?という問いの答えに納得できない人、腑に落ちないというか消化不良になる人はいるかもしれないが、ここも前段階で上手くしてやられたなと思う構成になっている。
正直読む前に持っていた印象をひっくり返されるぐらい終盤の内容は感銘を受けているぐらいには印象付けられている。








ネタバレ込みの感想

クイズの性質とリンクした偶像崇拝に対するメッセージは本当に面を食らってしまった。
三島が一度湾曲したイメージを与えられた当事者としての体験をしたうえで、本庄を湾曲したイメージを持ったフレームを通して見ていたことを自覚させられた流れは今までの描写の積み重ねもあって隙はないんじゃないかってぐらいの負け方だと思う。

クイズを通して語られるものすべてに感心してしまうぐらい自分の感性にピタリとハマってしまった。これから安易にいろんな人に薦めちゃうんだろうなあと思いながらパラパラとページをめくっていた。



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