【感想65】17歳は止まらない

予告で見てから楽しそうな活劇だな、と思ったけど実際に見たら邦画の中では断トツで面白いティーンムービーだなと思った。目つけた映画が面白いと、うれしくなっちゃうな～～～～

他人に勧めやすい　★★★★★
個人的に好きか　　★★★★☆

農業高校に通う木村瑠璃の17歳の誕生日前後を描く。
先生に片思いをしている中で、別の高校の男子マサルに言い寄られ続けている。あしらう理由は「同年代の男は全員バカに見えるから」。
でも当の瑠璃が一番のバカで、子供っぽいのが味噌になってくる。

片思いの先生には（酔った勢いだけれど）宿直中の学校に告白しに行こうとしたり、たまたま見つけた先生の家に深夜に突撃して中に入れるまで駄々をこねたりと、登場人物の中では頭3つ抜けてトチ狂った暴走が目立つ。
けれど畜産科にいるだけあってしっかりとした信念をもって高校生活を送っているので、家畜の命を奪うことや食べ物を食べることに対する真摯さは人一倍あって、いただきますを言わないマサルに強く責める姿勢を持ったりする。

まさにタイトル通りの性格で、ノンストップで先生やマサルを振り回し続けるわけだけれど、真逆に位置づけされるマサルとのやり取りは全体を通してすごく好きな部分でもあるし見どころでもあると思う。
先生と自宅でひと悶着あったあとの瑠璃とのやり取りでは核心を突くような一言を放ったり、時折立ち止まったり深く考える仕草が目立つ。
序盤でもいただきますに対する考えについてもしっかり向き合った上で行動を改めたりと、表面は薄そうに見えて中身はしっかりしてる、言ってしまえば大人な性分を持ち合わせてる。

別にこの2人は付き合ったとかそういう話ではなくて、見た目だったり印象だったりで決めつけていた所を深く知り合うことでやっとお互い向き合って人間関係を構築できるに至った、という話なので青春映画だ！ていうよりはティーン映画だ！ていう方が個人的にはしっくりくる。
それに先生の事があって反省をして～、という話でもなく根本の性格は変わらないところはすごくいいなと思った。17歳は止まらない、の名に相応しいから。