見出し画像

【感想まとめ5】4~6月に見た映画のオススメ

 簡単に計算したら半年で84本は見てたっぽい。なんだかんだでドラマやアニメもちゃんと腰据えて見れるように家の環境整えたいけど、見る時間作れんのかなあ。休みがほぼ外出る生活になると難しいね。

14歳の栞(2021)

 中学2年生のクラス全員にインタビューと密着をして撮った映画。ドキュメンタリーにかなり近い。

 この映画が怖いのは等身大の中学2年生の声が2時間以上頭に流し込まれることで、自分の過去を振り返って同じような青さを思い出したり、全く共感できずに特定の子を悪く見てしまったり、どう足掻こうとも内面を揺さぶってくる中身な所。
加えて構成も意地悪なやり方をしてて、序盤に出るカーストトップクラスの元気な子が言うセリフが中盤終盤と時間が経つごとに他の子たちがどう受け取っているかをじわじわと見ている側も感じさせてくるようになってる。

 サブスクには(諸々の理由で絶対に)配信されない、劇場に行くからこそ見つけて見れる作品なので、機会があれば見てほしい一本です。


ニセコイ(2018)

 『交換ウソ日記』を見て案外面白いじゃん!!てウキウキだった流れで見て憤死した。

 原作が完結したころに決定&公開という流れで、元々『ニセコイ』自体の終盤がどうしようもないぐらい否定されていた状況でトドメを指すように登場したこのタイトルは「まだ小野寺がケーキ作らされてた方がマシだったじゃん…」とエンドロール中に呆然する羽目になった。

 一応原作に忠実とはいえ、コミカルな仕草が致命的に合わない媒体で効果音やポップな演出で寄せているのがキツさに拍車をかけていて擁護どころかアンチの援護射撃になる要素になってる。
しかも原作のラストを伝えられていたのかその通りの終盤の展開ではあるんだけれど、文化祭編が終盤の舞台です。アニメや漫画で見た人は本当に意味が分からないと思うけれど、とにかく見て確かめてください。


CURE(1997)

 『蛇の道』見るついでだったのにこっちの方がバチバチに刺さった。

 サスペンスのように見ていくにはそうなんだけれど、エゴとペルソナに関する内容がデカイ主軸としてずっと描かれていく。
特にこの主軸に惹かれたのはあるけれど、エゴの解放への抵抗や一方抵抗しなかった場合のそれによる脱力や快楽を描く気持ち悪いぐらい綺麗な対比。そして終始緩まない緊張感ある雰囲気と展開は監督の力を嫌でも感じる。

 

チャレンジャーズ(2024)

 日本受けが異常に悪そうな内容だったけれど、笑っちゃうぐらいアメリカ映画として決まりまくってるのは直近だとこの作品が真っ先に思い浮かぶ。

 微妙にナンバーチョイスが気になるけれど、テクノサウンドに乗せたテニスシーンであったり3人での絡みの異様な神聖さ、終盤での転々とする場面での要素開示や今まで見せてきたすべてを利用したラストマッチは『セッション』のラストに通じる熱さもあって割とノリノリで終始ついていける構成になってる。シンプルなアメリカ映画として傑作だしスポコンとも違う、競技を通して対話していくという理念も作品を通しての面白さにしっかり加担している。

 時系列がバラバラで序盤のわかりづらくなる感じや共感しづらい主役3人の性分は大衆向けじゃないよな、てのは滅茶苦茶思う。感情移入できるかは重要じゃない気はするけど。


からかい上手の高木さん(2024)

 ちゃんと面白い。ちゃんと心の染みてくる。

 作為的ではありつつも、「西片と高木さんが一回離れたらどうなる?」ていう原作では絶対に実現できない疑問をこういう形で昇華されることもスタッフに恵まれていることも幸運だと思う。

 今泉作品としては高木さんのポテンシャルの甲斐あって薄味な感じではあるけれど、これを見た後だとスピンオフでもこれから見返す原作でもこの2人に対する新しい視点を貰えるし見ていて損はない一本。


ちなみに今年下半期に楽しみなのは...…『きみの色』(照)。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?