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【感想37】エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス

 引っ越してから終電がなくなる0時過ぎに上映終了でも問答無用で見に行ける環境のせいでかなり見に行けてる。代わりにポケモンがほとんど触れられてないし、アニメもかなり溜まったし本を読む時間も限られてるのは社会人になってからの時間のなさが如実に出てるなと。ダンベル打ちに行きたいし、やりたいことは増えるのに。


 MCUを皮切りに始まったマルチバースブームに加わる一作。
いろいろと定義はあるけれど、今作だとパラレルワールドのほうが意味合いとしてはすんなり入ってくると思う。
家庭仲がボロボロのアジア系アメリカ人が唐突に巻き込まれた事件が別の平行世界での自分たち一家が起こした騒動、て感じ。

 ここでのマルチバースは「もしあの時別の選択をしていたら?」の世界として無数に分岐している、という定義。なので自分のIFを知れるし、そのIFの自分の特技を問答無用で使える技術を使ってカンフーとかモリモリとアクションをすることができるようになる。
例えば主人公のエブリンは「夫と駆け落ちを【した】」世界にいるけれど、「夫と駆け落ちを【しなかった】」世界の自分が身に着けた能力を存分に使える。しかも【した】からさらに今の世界ではない世界にも分割されるから文字通り無数の可能性や能力がある、といった感じ。

 監督があの『スイス・アーミー・マン』の監督のダニエルズ2作目の長編ということで、シンプルに滅茶苦茶なシーンが多い。
別世界の能力を得るためにやるのが突拍子もないことをする、なので2Lの炭酸一気飲みに右腕を折って昼寝やケツの穴に物を挿し込むとか、アクションスゲ~~以外にもこういう笑える絵面が多いのでコメディとしても楽しいシーンが多い。
カンフーシーンも着けていたポーチをヌンチャク代わりに扱っていたり、飼っているポメラニアンをチェーンハンマー感覚で投げたりとアクションシーン自体が笑える絵面になってる。犬は何されても無事なお笑い仕様なのは理解してほしい。
あとは途中で出てくる『レミーのおいしいレストラン』に関する滅茶苦茶なパロディもあるので、原題含めて知っておくともっと面白く見れると思う。帰りに調べてからなるほどなぁ~~と納得したので。

 物語の根本は家族愛とかに帰結するし斜に構えた着地はしないので、エンタメとして心地いい終わり方だし中盤の能力をドンドン見せていく部分の面白さも相まって順当に勧められる面白い映画っていうのが個人的な所感。
マルチバースの設定で壮大なイメージがついていたけれど、登場人物自体は絞ったうえで様々なかかわり方をしている別世界を見る、というような見せ方もあるのでスケールも大きくなり過ぎずにマルチバースに対する面白いアプローチをしています。
メッセージ性も現代の人に対するとてもいい角度でのアプローチになっているし、単純に楽しい映画としてもお勧めできるので映画館で見てほしいです。


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