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【感想32】ケイコ 目を澄ませて

 何か仕事始まる前にやっときたいなと思って3日に見に行ったけれど、まぁ~~~~~~~~良かった。
インスタでオードリー若林と佐久間さんの感想を見たからっていう動機だけれど、こういうのを見逃さなかったのは良かったなって思える。

 邦画だと退屈なシーンが多くなる、がイメージとしては多い気がする。
パターンは2つあって、「自分が映画のリズムに乗れない窮屈さ」なのか「現実をそのまま切り取ってきた写実性」のうち、この映画は後者の方。

 何か明確に物語の目標があるわけでもなく、淡々とケイコの生活をのぞき見するような時間になる。
BGMとかエンドロールはなく、一切コミカルな誇張がない分生活感の強い描写により色濃さをつけられていたりと、映像作品ではなくて他人の日常を垣間見ている気分になる。
岸井ゆきのさんを筆頭に演者の表現が没入感を妨げないどころか、より強く惹きつける要素の一つになっているのが本当にいい。

 聾者に対する人たちの態度や表情なんかもいろいろ差が出てて面白かったです。
家族の中でも弟と母親では心境からのスタンスの違い、警官たちの無理解さ、ジムの他の会員たちの目線、どれを取っても脚色のない見方や考え方をみれます。
その見せ方も変な説教臭さはなく、強く訴えたいメッセージがあるわけでもなく、見せることにまず注力しているようなところが好感高い。個人的にはすごく好きな塩梅です。


この映画は本当にうまく言葉にするのは難しいんだけれど、配信で見ていると家でながら見したときに感じるものと映画館でじっくり見て感じるものでは全く異なると思うので映画館で見てほしいです。

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