シンウルトラマンの話。【感想4】

 上映後、2年前のVMぶりに◎-○-▲決着で2k投資バック10kのいい勝ち方をした京王SCの結果を見て鑑賞後の記憶が飛びそうになったのでサクッと感想書きます。

 まあまあイメージの悪い騒がれ方をされた初動ですが、邦画が得意なほうではない自分でも結構楽しんで見れたので見て損はないと思います。(以下バレあり)




 全体的には起承転結をきれいに4分割して繋げた流れで、結構気づきやすいところからとんでもなく細かいところまでウルトラマンオマージュが散りばめられているので満足度が高い2時間弱でした。
実際にはティガやダイナ辺りが直撃世代で、レンタルでエースやタロウ、セブンに加えてところどころ初代を見た記憶がある。ぐらいの知識レベルです。それでもわかる部分はピンとくるし、監督なりの解釈で「野暮なツッコミ」に対する解釈も含まれているので置いてけぼりになる感覚はありませんでした。

 キャラの扱いというか位置関係はかなり特殊で、主人公周りのグループ・日本の政治機関の2点に絞り、かつ個人としては特段掘り下げない形で進むので映画を通してかなりわかりやすい動かし方がされています。(シンゴジラのように庵野実写でのわかりやすいポイントっぽけど、今作で童貞を捨てたので触れられません。)
映画一本の時間で個人を掘り下げるのはあまりにも困難で、それこそMCUのように数作やることを前提にしないと難しいのでいい塩梅でのやり口だなと思いながら見ていました。これもウルトラマンという1キャラクターに焦点を絞れるので、他キャラへの個性負けをしたり印象が薄れることもなく終わります。

 かいじゅう連中はほとんどがデザインを現代へブラッシュアップ、中でもメフィラス星人は人間態でも際立ったキャラクターで、上記の個性負けや印象の上書を懸念するぐらい魅力的になっています。
ゾフィーチラ見せ→「あっ......(察し)」→退場宣言では一番笑った(2番目は拉致の件で悪いものを思い出した時です)けど、情報統制の件しかり、ちゃんと場の見極めができるぐらい頭が切れる奴なんだなと見ている側に納得できる材料提示の場と、結にあたるクライマックスのエピソードに繋がるので大事な部分なんですよね。そういった意味でも操り糸が一切見えないつくりで、変な違和感を残さないものになっています。
次いで濃いのは長澤まさみのキャラで、お尻をたたくという自分を鼓舞するルーティンを見せたり、割と古典的な女性キャラの相棒枠としてのテンプレを背負っていたり、パーソナル性がわかりやすいのは人間サイドでは多分一人だけです。
その長澤まさみ自身も、ウルトラマンに対して懐疑的な目線を向けつつも、主人公のケツを叩く(=主人公を鼓舞してる)ぐらいには心を開く、と時間内で着実に関係を築いていくのでキャラ個人としての描きかれ方は濃いめになっています。

 オマージュ云々はやはり初代の4エピソードを1本の映画として繋いでいる構成なので、対応する各話の印象をリブートしているイメージをするとオマージュの頻度がうっすら伝わると思います。
どのエピソードも人間と異星人、人間とウルトラマンといった人間全体を1つとして対応させているような印象です。最後のかいじゅうは十中八九確定として、残りはそういう筋を考えて選んでるのかなとも思いました。


 小ネタのチラシ方やかなりのハイテンポで進むせいでもう一回は見たい、というのが今の正直な気持ちです。
1回目だけだと「オッすげぇや!」で2時間を過ごすことになる(実際ヌルヌルと、キビキビ動くデカブツたちはめちゃくちゃ印象的だった)せいもあってもうちょっとじっくり見たいシーンができるのがほとんどだと思います。
そういう時にサブスクですぐ配信されて手ごろになるのは便利なもんですが、やっぱり作品をデカい音と画面で見れる、特に大怪獣バトルの特撮ならば映画館で見ておくのがベターだよなと思ってます。ユリ熊嵐見終わったらちょくちょくウルトラシリーズも適当な話数見返したいと思います、なんやかんやで小さいころ見てたもんを見返すのは楽しいって龍騎アギト555見返してた高校時代に学んだからね。

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