【感想30】MEN 同じ顔の男たち
多分逆張り君だからなんだろうけれど、14年のW杯見たときぶりに欧州サッカーを観たくなってる。
応援してたドイツが関わらなくなったおかげで100分弱走ってる競馬みたいな見方しかできないし、日本がクロアチアに肩入れするムードがめんどくさいし視界に入る外野がめんどくさくない試合を観たいってだけかもしれない。
MLBも試合観るぐらいには知っておきたいし、これを機にabemaがスポーツ中継に自信ニキになってほしい。DAZNとかいうバカの月額でデッカイ悲鳴を上げたので。
短い感想
めちゃくちゃ見たいホラーが見れて満足した。
最後の20分が集大成と言えるような気持ち悪い描写盛沢山のサービスタイムなんだけれど、序中盤のカントリーハウス周りの清涼感ある田舎町の風景の中、薄ら気味悪い雰囲気を保ちつつ進むのも魅力的。
ジャンプスケアをほぼ使わずに、なのにホラーとしての描写は高得点取れそうな絵面なのが良い。
あらすじや予告を一切見ないで見たほうがいい。日本語で出てる前情報は本当に邪魔になるなと思うぐらい理解に対するノイズになったので。
細かい感想
あんなあらすじだけれど、正確には
て感じで説明すると思う。
夫が口論の末に転落死し最期に言われた「死んだら君のせいだ」という呪いの言葉を引きずったままあの別荘に仮住まいを始める、ていう流れなんだけれどその夫が滅茶苦茶キツイ人に見えるようになってる。
「結婚式で愛を誓ったし、離婚するなんて言うのは洗脳以外ありえないから」というスタンスなので、男目線でもだいぶ同情されない人格。
で、離婚するなら僕は死ぬしかないし死んだら実質君のせいと言い残して亡くなるので本当にたちが悪い。
そんなこともあるので男性不信気味なまま町へやってくる、て流れなので同じ顔の男しかいないという恐怖体験に繋がる。
ただ町の男性陣の顔が同じだ!ていうのは明確に発言上ではないので、主人公のハーパーと一緒になんだこれ…て気持ちで進んでいく。
ちなみに町の男性陣は全員ロリー・キニアが演じているんだけれど、filmarksやtwitterではそもそも男性陣が同じ顔ってこと自体に全然気づいていない人も結構いた。髪型や外国人の顔の違いが分かりにくく感じるせいもあるんだろうけれど、そんぐらいの視界しか持ってないってどういうことだよ…という恐怖も出てきた。
微妙だなと思ったのは、ハーパーが嫌に感じた所が(漏れが)男目線だからっていうのはあるんだろうけれど「お前も大概だろ」感出てしまったものもある。
管理人のジェフリーがデリカシーないのはわかるとして、神父に夫との口論の一部始終を話した時も「慰めるのはいいとして、実際には許したり謝らせる隙をあげたか?」ていう問いかけも立場的に真っ当な気もしたし、警官が捕まえた全裸男性は状況証拠でストーカー認定になった上にあの段階では加害性はなかったので釈放も無理はないし女性警官でも同じことを言っただろ、ていう気持ちが拭えないので、出てくる男性陣の不快度合いが段階ごとになってるように感じた。
そのうえでラストは自省するシーンも差し込まれるのかと思いきや、男性陣が(おそらく)ハーパー視点での言動や迫り方をしてくるので女性側の一方的な訴えのようにも感じた。
痴漢で例えると不可抗力の事故や冤罪の可能性もあるし…て可能性の話を全部取っ払って触られた事実があるから全部有罪ですと断定されるような、ちょっと女性に偏り過ぎてるように感じた。
総括
賛否は分かれているっぽい雰囲気はあると思うけれど、映画やホラーが好きなら今年見て損はない一本だと思う。
ラストのめちゃくちゃ気持ち悪いシーンは監督が好きなことしてニッコリしているのが目に浮かぶぐらい気合入ってる感じがあるのでそれだけでも見てほしい。
最初に見てよく分からなかった人もそういうメタファーがあるんだよ、というのを踏まえると瀕死の鳥の首を折ったのも男性の身勝手さを表してるよ、とかいくらでも言える気がするので見終わった後に話が盛り上がるタイプだと思う。
『ミッドサマー』で完全にブランドイメージを受け継ぐタイプの作品なので、いろんな劇場で公開されているのはいいことなんだと思う。
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