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【感想88】Saltburn

◎レガレイラ
○センチュリボンド
▲シンエンペラー
有馬で今年一年終わった気になってる奴なんているはずないよな?

他人に勧めやすい ★★★★☆
個人的に好きか  ★★★★☆

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 配給会社が渋るのがわかる内容だけれど、だからこそスクリーンで没入した状態で見たほうが面白いだろうなぁっていう映画。
『プロミシング・ヤング・ウーマン』の監督なだけあって似た展開の味はするし、バリー・コーガンの以上にマッチした役どころとソルトバーンのキャッチーな景色はウケがいいのは間違いないのでいろんな人にお勧めしてもいいと思える作品。

 大学内で居心地の悪そうな雰囲気を出しているオリーが、フェリックスという1軍の中心にいる男と仲良くなっていき、夏休みの間にフェリックスの実家があるソルトバーンで過ごした時間を描いている話。
ただこれ以上の情報を頭に入れないで見てほしいし、どんな話に展開するのかとかは薄っすら浮かべる程度で面白いと思う。監督が監督なだけあって、味わいは『プロミシング・ヤング・ウーマン』と同じだけれど系統が真逆。


 バリー・コーガン演じるオリーが定期的に見せる愛憎の表現が一番の見どころ。
前作だとすべての性的に見えるシーンを省かれたのに対して、今作だと長回しでじっくりと直接的な性的な感情を見せてくるシーンが多い。好きだとしてもふつうそんなことするか...?と2歩は引いてみてしまうような行動をする。そういったところから垣間見えてくるオリーの性格やフェリックスに話していたオリーの家族の話をはじめとした背景情報から、どういう結末を迎えるのかを考えていくのもいいかもしれない。

 個人的には途中からオリーにガッツリ感情移入しながら見ることになったけれど、その理由が中盤以降から隠してた心境が露呈したところ。好みが『セッション』なのもあるけれど、細部は違えど根本としては同じ欲求のもとから来るコンプレックスは見えたし、ラストの種明かしシーンからはそれこそCaravanの演奏シーンに似た爽快感あるシーンが待っているので好みが近い人は見たら面白いって思うだろうなぁとは思う。


 ブラックコメディに近い、コメディよりブラックの配分が多めな映画だけれど、画面アスペクト比とソルトバーンの景色が合わさったぱっと見のビジュアルの良さや役者陣もそこそこホイホイと釣られてみてくれそうな感じではあるし、配信で見たくない人はいつかは上映するスクリーンが出てくれたらいいなぁぐらいで待ってるのが一番いい温度感かもしれない。


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