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【感想71】ホーンテッドマンション

アトラクションの映画化は『ジャングル・クルーズ』でだいぶ渋い顔になっちゃったけれど、ホーンテッドマンション自体は結構好きなのでとりあえず見ようとは思ってた。
ジャングルクルーズ自体小っちゃいころに行ったっきりだし思い出補正も全然違うしで前提が違うんだけどね…

他人に勧めやすい ★★★★★
個人的に好きか  ★★★☆☆

結構楽しい、んで面白い。
人と見に行くのに適してる感じ。本家のホーンテッドマンションと同じようなターゲット層してると思う。

屋敷に越してきた母子が言えの幽霊をどうにかしてほしい、と依頼してきたのを機に4人の多種多様な人が集まって屋敷の秘密に迫っていくのが本筋。

本家のアトラクションがフジQのように本気で脅かすようなものじゃないところから来る通り、ホラー要素は結構薄い。
ジャンプスケアもあるにはあるけれど振り方が丁寧かつ心の準備を十分に取らせるようにしてるおかげで少し驚くぐらいに留まるし、ビジュアルでもそこまで不気味なものはないしでホラー苦手な人でも許容は出来そうなレベル。

小ネタや本筋に肉付けする形で出てくるエピソードがアトラクションからの輸入が結構多い。例えば1000人目の住民を探しているとかは重要なポイントになっているし、わかりやすいところで言えば食堂のシーンとかは1度アトラクションを乗ったことがあれば思い浮かぶ景色が見れる。

見た後や見ている最中にアトラクションを彷彿させるシーンをいくつも出せているだけでもエンタメ映画としては及第点だし、加えてシナリオもかなりいいお話なので満足度は高くなると思う。

特にいいなと思ったのは死者の扱い方。
主人公のベンは亡くなった妻への未練がまだあり、そこをつけこまれて1000人目の住民として相応しいと目をつけられている。そのことを仲間に打ち明けた際には「彼女は気持ちをわかってくれている」というありがちな慰めの言葉が出てくる。ここはキャラによっては詭弁だと逆鱗に触れてしまうこともあることと、実際に死者が霊として出てくる舞台の性質上、本人が霊として出てきて真実を確認できるという展開に持っていかれたりといくつも可能性は上がってくる。

そんな中でも今回取られた選択肢は上記のどれでもなくベン本人がしっかり前進するための選択であるし、ホーンテッドマンション自体の成り立ちから逸脱しない、アトラクションファンにも誠実な着地点なのがすごく良い。

ただ惜しいのは見た後にアトラクションいくぞ!となっても現在(というか年内いっぱい)はホリデーナイトメア版として『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』にジャックされたバージョンとして稼働しているし、そもそも今のディズニーランドが仮想できる時期というのも相まって人がかなり多い時期なこと。販促のかみ合わせが悪すぎる。

ただDisney+にはアトラクション誕生の経緯だったりが見れたりもするので、そういうの込みで楽しめるのはいいかもしれない。
誰かと映画見に行こう、てなった時に素直にお勧めできるのはそれだけでもありがたい存在になるからロングランになるよう頑張ってほしいなあ。

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