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映画のあれこれ

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映画の感想
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2023年3月の記事一覧

【感想42】BLUE GIANT

めちゃくちゃオススメされたし、逆張り発動抑えて行ったら大満足しながら帰ってた。そんな映画。  仙台から上京した宮本大が日本で過ごした中で辿ったジャズとの道のりを描く2時間。 よく言われている音へのこだわりだけじゃなくて、音楽に負けない映像表現と演奏そのものへの尊敬の念が溢れ出ている。 シナリオは凝っているわけではないんだけれど、ストレートだからこそ演奏に乗せられるアツいメッセージがダイレクトに伝わってくるのがものすごく心地よかった。老若男女誰にでも勧められる、最高にズルいア

【感想41】フェイブルマンズ

宣伝文句で言われているようなハートフル映画とかスピルバーグの自分語りした武勇伝、というよりも自分が心動かされたりいつまでも頭に残り続ける出来事をベースに構築された物語といった感じ。 フェイブルマン一家の長男サミュエルが、主人公でありスピルバーグの現身のような存在。2時間半かけて家族、主に両親のエゴに挟まれた葛藤の末にどういう道を辿るのかを眺める映画といった感じ。 最後には有名な逸話が入るけれど、それ以前の映画監督としてのキャリア以前を伝えるためだけに注力しているんだなとも思

【感想40】バビロン

現状今年1番好きなのはこの映画かもしれない。 サイレンからトーキーへ移行する映画史の栄枯盛衰を描いている。 『雨に唄えば』での大筋とは全く同じではあるけれど、それとは描かれる人物の視点や伝えたいこととかは真逆に位置づけされる。 とは言いつつも、実は『雨に唄えば』を見ておかないと理解に苦しむようなシーンがあったりするので一応抑えておかないと一回の鑑賞で十分理解するのは結構難しい。 『雨に唄えば』へのリスペクトはないと方々では言われてはいるものの、かなりあてがきとして描写して

【感想39】ホーリー・トイレット

 バカ映画だと思って行ったらいいバカ映画だった。  話は本当に「34分後に爆発する仮設トイレからどう脱出するか」一本で1時間半が終わる。 34分間を必死に間延びさせているわけじゃないのでその辺りでダレてつまんなくなるとかないです、流石に。 他にもなぜか日本人が出てくるせいで日本語を使った訳のわからないシーンがあるおかげでめちゃくちゃ具合がより増して場内で笑い声を聞きながら見れるので、映画館での雰囲気込みで楽しむなら早めに見ておくのをお勧めします。  より詳しい導入としては

【感想38】かがみの孤城

辻村深月が原作、A-1制作とちゃんと面白いに決まってる布陣でちゃんと面白かった。 正直原作を読んだ方が理解度が上がるシーンがあるんだろうなっていう部分が多いけれど、初見でそう思わされるぐらいには根本の縦軸についてのお話はしっかりしているし、アニメだからこそ見せられる写し方であったりがいくつかあるので見てよかったな~~って思う部分はたくさんあった。 特に初週の特典であった「その後」についてがエンドロール後に見れるのは今だからこそ見れるいい映像だし、駆け込みでも見に行くのお勧め

【感想37】エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス

 引っ越してから終電がなくなる0時過ぎに上映終了でも問答無用で見に行ける環境のせいでかなり見に行けてる。代わりにポケモンがほとんど触れられてないし、アニメもかなり溜まったし本を読む時間も限られてるのは社会人になってからの時間のなさが如実に出てるなと。ダンベル打ちに行きたいし、やりたいことは増えるのに。  MCUを皮切りに始まったマルチバースブームに加わる一作。 いろいろと定義はあるけれど、今作だとパラレルワールドのほうが意味合いとしてはすんなり入ってくると思う。 家庭仲がボ