登記手続き(絶望、そして歓喜の涙)②
前回
「素人でも登記手続き楽勝〜!」
とたかを括っていた私。
今回も文字オンリーです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
町役場へ行き、法務局に言われた書類を出してもらうとやはり長く放置されていた古民家、一筋縄ではいかないことが判明します。
1つ目は
なぜか町役場で記載されている住所と、正式な住所が違う。
正確には町役場では土地番号という、今のような住所表記になる前についていた昔の番号のまま登録されていたのです。
2つ目は
なぜか元の所有者であるはずのおじいちゃん(Mさん)ではない違う人の名前が所有者として出てくる。
この名前はMさんの亡くなった奥さんということが後にわかりました。
本来あの土地建物は1番最初の所有者のおばあさんが亡くなり、そこから娘さんであるMさんの奥さんが納税者となり、奥さんが亡くなった後、だんなさんであるMさんが所有者になったようです。(ややこしくなってきた)
そして町役場では納税者であったMさんの奥さんが過去の所有者として名前を登録されているのでした。
これには困りました。
法務局の登記の審査が通るには町役場からの正式な書類と、実際の所有者の異動の流れが整合していないといけないらしいのです。
とにかく疑問点を1つ1つ解決するしかないと動いている中で、2人の強力なサポーターができました。
1人目は農家さんとの契約の際、契約書を作成してもらった司法書士のおじいちゃん、Nさん。
元の所有者であるMさんと農家さんの売買契約書も作成していたのでMさんと直接やり取りしており、
町役場の書類で出てきた名前がMさんの奥さんであると教えてもらったり、他にも確認事項でやり取りした結果、その流れで疑問点があるとNさんに聞いてアドバイスをもらってました。(依頼していないのに本当にすみません…という思い)
2人目は法務局の審査担当のOさん。
「未登記の物件を司法書士や調査士を通さず素人がやるなんて今まで担当したことがありません。土地建物の契約は必ず登記した後に行うものなんですよ」
と言われながらも、
これがだめだったらこの書類なら通るのではないか、この書類の整合性が取れないところは上申書の提出が必要になるのでこの上申書を使ってください(上申書を作成してくれた😭)
など素人が試行錯誤しているのを見かねて、審査担当でありながら手助けしてもらいました。
なので私も不慣れで知識0ながら、2人の専門家に聞きながらなんとか町役場と法務局を右往左往していました。
そして
『1番最初の所有者のおばあさんが亡くなり、そこから娘さんであるMさんの奥さんが納税者となり、奥さんが亡くなった後、だんなさんであるMさんが所有者になった』
という流れを証明するには
遺産相続綴り(つづり)しかない
という結論になったのです。
それは司法書士のNさんが農家さんとMさんとの売買契約の際作成したもので、Mさん側の親族全員の相続放棄手続きのサイン、捺印をまとめたものでした。
一昔前といえば兄弟7〜8人は当たり前、この古民家の持ち主のおばあさんも例に漏れず子沢山でその子供、さらに孫、というとかなりの大人数。
遺産相続綴りを作成した司法書士Nさんによると、
「全員の署名、捺印を集めるの本当に大変だったんだよ〜。私、二度とやりたくないなあ」
だそうです。
実はこの遺産相続綴りの署名を集める際、連絡の取れない行方不明の親族の方がいました。
この行方不明の親族の署名、捺印がないと親族全員の相続放棄手続きができず、私達も契約を進めることができなかったのです。
そのいきさつはリアルタイムでもブログ内で書いてきました。
行方不明者がいた場合、何年単位で待つこともある…と聞いていたのでそうなるとこの古民家は物件として諦めなければならなかったんです。(そんなには待てない)
3か月ほどでスピード解決したのはあなたのおかげでしたか…と今回Nさんの功績を知りました。
そのNさんの苦労と汗の結晶である遺産相続綴りを今回登記手続きのため、元所有者のMさんからなんとしてもお借りしなければならないことが新たなミッションとして加わりました。(原本はMさんに手渡しで渡されている)
Mさんにはもう関係がない土地のこと、
果たして快く貸してもらえるのか…
Nさんから連絡先を聞き、ドキドキしてMさんに電話を掛け事情を話すと
「いいよーもう自分には関係のない家のことだから、必要なんだったら好きに書類も持って行っていいよ」
と想像以上に快くOKしてくれました。
今回Mさんの実印を上申書に捺印してもらい、印鑑登録書(印鑑証明書発行のため)をお借りするミッションもあったのですが
「いいよ、いいよ、持って行って」
とまだ会ったことのない私に心配になるぐらい快諾してくれます。
「初めてお会いしますし、念のため身分証明書として私の免許証コピーを持って置いておきます」
と伝えて来訪する約束をしました。
電話を切った後、「これで遺産相続綴りをお借りできれば登記完了できる」と安心しました。
しかし、今回の本当の山場はMさんの自宅を訪問した時に迎えたのでした。
文字ばかり&専門的な話も出たりで読みづらくないかなと思いますが、思いの外長くなったのでつづきます!
次回が登記話の最後です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?