いかにも温かな手紙を書かなさそうな人の温かな手紙に励まされたい

特に手術前の不安な時間は人の言葉に本当に助けられた。

パートナーからの手紙とゴミブルー娘(ゴミブルーの一味)からの手紙とかりん&あやね姉妹の手紙(動画メッセージ)を繰り返し眺めていた。

どれも短くシンプルで、温かな言葉が心に深く染み渡った。

無事に手術は終わった。が、次の日は微熱や下痢、吐き気などが丸一日続き辛かった。そして手術が終わって終わりではないのだと気を持ち直したとき、願ったことがある。

もっと温かな手紙に励まされたいと。

とりわけ温かな手紙を書きそうな人のではなく、いかにも温かな手紙を書かなさそうな人の温かな手紙に励まされたいと。

温かな手紙を書きそうな人の温かさはすでに想像できてしまっている。けれどいかにも温かな手紙を書かなさそうな人が温かな手紙を書いたとき、その温かさはものすごいんじゃないかと考えたのだ。

沼田君に「いかにも温かな手紙を書かなさそうな人の温かな手紙がぜひ欲しい」という無茶でわがままなリクエストをした、その次の日に届けられた手紙たち。勘は当たっていたようだ。

書かなさそうなXLより。
照れ屋で苦手で、書かないというより書けない人の。

書かなさそうなゆうと君より。
痛いの痛いのとんでゆけー。

書かなさそうなちなさんより。
足ケガげんきしてますげんきにしてます。

書かなさそうなそうちゃんより。
知ってる! それ知ってるよ!

書かなさそうな寺田さんより。
めっちゃ呼ばれてる(時々呼び捨て)。

書かなさそうな祥子さんより。
きっと世界でいちばん短い手紙。

言葉は不思議だ。長たらしければ、上手ければいいというもんじゃない。笑い泣く。

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