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ネコ型ロボットと接客業。

先日、とあるビアフェスに立川へ。
帰りに近くのファミレスに入ると、
パートナーが「なんかいる!」と小さな驚きの声を上げました。
そちらを見てみると、ネコミミのついたロボットが。
お料理を運ぶワゴンをまぁるくかわいらしくして、上に画面と猫耳がついたみたいなやつ。
ゆっくりと動き回っていました。
その店ではロボットだけで接客するのではなく、
テーブルの近くにロボットと人間の店員さんがきて、
最後は店員さんが料理を渡してくれるという感じだったのですが…。

他のところでは,もうロボットだけで動き回ってる所もあるみたい…?
上越のファミレスにもいるらしいですね。
知り合いの方がインスタのストーリーに、動き回るネコ型ロボットの動画をあげていました。
「接客業いらなくなってしまう…」という言葉と共に。

うーん。

ちょっと前に入った上越のファミレスを思い出します。
若くてかわいらしいけど、ずっと斜め下を向いて目も合わせない店員のお姉さん。
オーダーはタッチパネル。
「お待たせしました〇〇でーす」と料理を置きに来たら、急いでるのか
ダン、ダンッと置いて立ち去りながら「ごゆっくりどうぞー」

ロボットの方が愛想いいし、時給も発生しないし愚痴も言わない。
そりゃロボットの方がいいわ…。

でも、もちろんそのお姉さんが悪いわけではありません。

接客業はプロの仕事です。簡単にマニュアル化できるもんではないです。

マニュアルにない気遣いのひと言や、小さな行動がお客さんの感動を生みます。
でもそれって、簡単に真似できないし、教えられないし、時給数百円でやることじゃないです。

あと、お客さんから求められてないと成立しませんよね。

コロナ前、日本酒バーの雇われ店長をしていた時、
びっくりしたことがあります。
大手チェーンばっかり行ってそう(偏見)な、
ヤンキーっぽい感じの若い男の子が4.5人で入ってきて。
(もちろん一杯も日本酒飲みませんが、まあいいでしょう)

「お兄さんたちどちらからですかー?」
なんて、いつも通りに何気なく声をかけたんです。
そしたら、みんながビクッと肩に力をいれて
引いちゃったのを感じて。
友達同士で話してる時は強そうな感じでオラオラしてたのに、
みんなで目配せして気まずそうに、
「えっ…えーっと、関東っす」
みたいな、ぼそぼそと言うんです。

店員が話しかけてくること自体が珍しくて、
なぜそんなことを聞かれるのかと警戒しているようでした。

わー、そうなるのか。と、こっちもびっくり。
ぜんぜん話噛み合わないし、声をかけるたびに驚いて、目配せし合うんです。

店員が人として接してくることを、求めてないんですね。

場所と酒だけあればいい。店員さんって、「お待たせしました〇〇でーす」しか言わない人だと思ってたのかもね。

まあ私も、すっぴんでボサボサの時とかは
ロボットのように接客してくれる、自分をひとりの人間として見てこない店に行きたくなるとき、あるし…

ロボットのように接客するお姉さんを作り出してしまったのは、
我々お客さん側でもあるのかも、と思うわけです。

お姉さんだって、若い子だもん友達と話してる時はイキイキと笑っていることでしょう。
でもバイト中は、お客さんたちが求めるような決められたセリフをいうだけのロボットになって、時間をやり過ごしているのです。

そう考えたら,最初からロボットがやってくれた方がいい。
お姉さんは、人間になれる場所にいてほしいです。


めっちゃアナログにつながる場所と、
徹底的に無駄を省いてロボット化する場所。

どっちもどんどん進んでます。
どっちに傾いても息苦しいから、
じょうずに両方を行き来していたいよね。

そんなわけで、今日もアナログにつながる場所をやります。

おわり

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