見出し画像

水泳選手にとって体幹は強くするより、使えるようにする

【著者 NESTA スイミングコンディショニングトレーナー 鳥飼 祥秋】
水泳選手にとって体幹トレーニングは重要なワークです。
体幹が水泳にとって重要だと理解できていても、体幹は機能的にも多岐にわたるほど奥が深い部位でもあります。
今日は、水泳選手が知っておきたい体幹についての解説となっています。

是非参考にしてみてくださいね。
トータルケアラボラトリーでは水泳専門のトレーナー資格保有者があなたの水泳に関わるコンディショニングやトレーニングなどサポートさせていただきます。
予防医療とフィットネススポーツをコラボさせたパーソナルトレーニングジムです。
スイミングコンディショニングトレーナーである鳥飼が情報をブログにて配信しています。
是非、過去の記事も参考にしてください。

目次
1章.体幹の構造
2章.体幹のモーターコントロールとしての役割
3章.神経が筋肉を制御
4章.体幹から全身の動作が始まる
5章.体幹と四肢の連動性を高める
6章.体幹と神経系
7章.パフォーマンスピラミッド
8章.体幹の強化と制御機能向上
9章.体幹の制御機能向上
10章.運動制御機能を邪魔する体幹トレーニングは、もういらない
11章.運動制御機能の向上には、強靭な体幹が必要不可欠
12章.つまり、「使える体幹」を手に入れよう
13章.まとめ

1章.体幹の構造

競泳は、水中での高速移動を要求するスポーツであり、選手の体幹の強さと安定性が重要な役割を果たします。体幹は、胴体の中心部分であり、腰から肩までの筋肉や骨格構造を含みます。競泳においては、体幹が水中での姿勢制御や推進力の発生に大きく関与しています。

体幹は、腹直筋、腰方形筋、広背筋、僧帽筋などの大きな筋肉群によって支えられています。これらの筋肉は、背骨や骨盤を固定し、身体を安定させる役割を果たします。また、深層筋と呼ばれる小さな筋肉群も存在し、これらは身体の安定性を維持するために重要です。

競泳においては、水中での姿勢制御が非常に重要です。選手が水中で直線的な推進力を発生させるためには、身体が水平に保たれる必要があります。このため、体幹の強さと安定性が求められます。また、競泳においては、腕や足の動きが非常に速くなるため、体幹がしっかりと固定されていることで、選手はより効率的な泳ぎを実現することができます。

2章.体幹のモーターコントロールとしての役割

競泳において、体幹は非常に重要な役割を果たします。体幹は、胴体の中心部分であり、腰から首までの部分を指します。競泳では、水中での姿勢制御や推進力の発生において、体幹が重要な役割を果たしています。

体幹は、モーターコントロールにおいても重要な役割を持っています。モーターコントロールとは、運動を行う際に神経系が筋肉を制御することを指します。体幹は、このモーターコントロールにおいて、安定性やバランスの維持に関与しています。具体的には、腰回りの筋肉や背骨周辺の筋肉が収縮することで、体幹が安定し、運動時に必要な姿勢制御が可能となります。

また、競泳では水中での推進力が非常に重要です。この推進力を発生させるためには、適切な姿勢制御が必要です。体幹がしっかりと安定している場合、水中での姿勢制御が容易になります。その結果、より効率的な推進力を発生させることができます。

3章.神経が筋肉を制御

競泳は、水中での高速移動を要求するスポーツであり、選手のパフォーマンスには神経系が重要な役割を果たしています。神経系は、体幹の筋肉を制御することで、選手が水中での姿勢を維持し、推進力を生み出すために必要な筋肉を正確にコントロールすることができます。

神経系は、中枢神経系と末梢神経系に分けられます。中枢神経系は、脳と脊髄から成り、末梢神経系は、中枢神経系から分岐して全身の筋肉や臓器に信号を送る神経から成ります。競泳においては、末梢神経系が特に重要です。

末梢神経系は、運動ニューロンと呼ばれる神経細胞から成ります。これらの細胞は、筋肉線維に接続し、筋肉の収縮を制御します。運動ニューロンは、脊髄から出て筋肉に向かうまでの距離が長いため、信号の伝達には時間がかかります。しかし、競泳においては、高速で正確な筋肉の収縮が必要とされるため、神経系はこのような状況に適応する必要があります。

神経系は、運動ニューロンを通じて筋肉を制御するだけでなく、感覚ニューロンを通じて情報を受け取ることもできます。競泳においては、水中での姿勢や推進力の調整に必要な情報を感覚ニューロンが提供します。これらの情報は、中枢神経系で処理され、運動ニューロンに送られます。

競泳においては、神経系が正確かつ迅速に筋肉を制御することが重要です。これにより、選手は高速で効率的な泳ぎを実現することができます。

4章.体幹から全身の動作が始まる

パフォーマンスには優れた体幹が必要不可欠です。体幹とは、胴体の中心部分であり、腰から胸までの筋肉や骨格などが含まれます。競泳では、水中での姿勢制御や推進力の発生に重要な役割を果たします。

競泳選手は、泳ぎ始める前に体幹をしっかりと固定することが必要です。これにより、水中での姿勢制御が容易になり、推進力を最大限に発揮することができます。また、体幹を固定することで、腕や足などの末端部分の動きもより効果的に行うことができます。

さらに、競泳では水中での抵抗を減らすことも重要です。体幹を使って身体を水平に保つことで、水中での抵抗を減らし、より効率的な泳ぎが可能になります。

また、競泳ではターンや出発時のプッシュオフなど、短時間で大きな力を発揮する場面があります。これらの動作には、体幹の強さと安定性が必要です。体幹が弱い場合、これらの動作を正確かつ効果的に行うことができず、パフォーマンスに悪影響を与える可能性があります。

5章.体幹と四肢の連動性を高める

競泳は、水中での高速移動を要求するスポーツであり、選手のパフォーマンスには様々な要因が関与します。その中でも、体幹と四肢の動作の連動性は非常に重要な要素の一つです。

体幹とは、胴体部分を指し、腰や背中、腹筋などが含まれます。競泳では、水中での推進力を生み出すために、選手は腕や足を使って水をかき分ける必要があります。この際、体幹がしっかりと安定されていないと、選手の身体がぐらついたり浮いたりしてしまい、効率的な泳ぎができません。

また、体幹と四肢の動作が連動していない場合も同様に効率的な泳ぎができません。例えば、腕だけを使って水をかき分けるというような動作では、推進力が不十分になってしまいます。一方で、体幹を安定化しながら腕や足を使うことで、より大きな推進力を生み出すことができます。

6章.体幹と神経系

競泳において、体幹の強化は非常に重要です。体幹は、胴体の中心部分であり、腰から胸までの筋肉群を指します。これらの筋肉は、水中での姿勢制御や推進力の発生に欠かせない役割を果たしています。しかし、体幹の強化が過剰になると、全身の動作の感覚を鈍くさせる可能性があります。

体幹の強化が全身の動作の感覚を鈍くさせるメカニズムは、主に2つあります。1つ目は、筋肉の硬直化です。体幹を構成する筋肉が過剰に発達すると、その筋肉が硬直化し、柔軟性が低下します。このため、水中で自由自在に動くことができなくなります。

2つ目は、過剰な筋力増強による動作パターンの変化です。競泳では、正しい泳ぎ方が非常に重要です。しかし、体幹の筋肉が過剰に発達すると、本来必要な動作とは異なる動作パターンが身についてしまう可能性があります。これにより、泳ぎの効率が低下し、パフォーマンスが悪化することがあります。

7章.パフォーマンスピラミッド

エクソスのパフォーマンスピラミッドは、運動能力を向上させるために必要な要素を階層的に表したものです。このピラミッドは、下から順に、姿勢と運動制御、柔軟性、安定性、筋力、パワー、スピード、敏捷性、反応時間という要素を示しています。

体幹は、エクソスのパフォーマンスピラミッドにおいて安定性の要素に位置づけられます。体幹とは、胴体部分の筋肉や骨格などを含めた全身の中心部分であり、身体の安定性やバランスを保つために重要な役割を果たしています。

体幹の強化は、運動能力向上において非常に重要です。体幹が弱いと、姿勢が崩れたり動作が乱れたりすることがあります。また、スポーツやフィットネスなどのトレーニングにおいても、体幹が強化されることでより効果的なトレーニングが可能となります。

体幹を強化するためには、プランクやサイドブリッジなどのコアトレーニングが有効です。また、バランスボールやトレーニングバンドを使用したトレーニングも効果的です。

8章.体幹の強化と制御機能向上

水泳選手にとって、体幹の強化と運動制御機能の向上は別々の重要なトピックです。体幹は、胴体の中心部分であり、腰、腹部、背中、および骨盤周りの筋肉を含みます。水泳においては、体幹が安定していることが非常に重要であり、泳ぎの効率性や速度に大きな影響を与えます。

体幹の強化は、筋力トレーニングやコアエクササイズを通じて行われます。これにより、水泳選手はより強力な泳ぎを実現することができます。しかし、体幹が持つ運動制御機能の向上は、単に筋力を増やすだけでは実現できません。

運動制御機能とは、筋肉や神経系が協調して正確な動きを行うための能力です。水泳においては、正確な姿勢やバランスを維持することが必要であり、これらは運動制御機能によって支配されます。運動制御機能を向上させるためには、バランスや姿勢を改善するエクササイズや、プール内でのバランスボードなどのトレーニングが必要です。

つまり、体幹の強化と運動制御機能の向上は、水泳において同じくらい重要ですが、それぞれ別々のアプローチが必要です。体幹の強化は筋力トレーニングによって行われますが、運動制御機能の向上には、バランスや姿勢を改善するエクササイズが必要です。

9章.体幹の制御機能向上

水泳選手が体幹が持つ運動制御機能の向上を達成するためには、以下のような方法があります。

  1. コアトレーニング
    水泳においては、上半身を安定させるためにコア(体幹)の筋肉が重要な役割を果たします。そのため、コアトレーニングを行うことで、体幹の筋力や安定性を向上させることができます。具体的には、プランクやサイドブリッジなどのエクササイズが効果的です。

  2. バランスボールを使ったトレーニング
    バランスボールを使ったトレーニングは、体幹の筋力やバランス感覚を向上させることができます。例えば、バランスボールに乗って片足立ちをするなどのエクササイズが効果的です。

  3. ストレッチ
    水泳選手は、長時間同じ姿勢で泳ぐことが多いため、筋肉の硬化や姿勢の歪みが起こりやすくなります。そのため、ストレッチを行うことで筋肉の柔軟性を保ち、姿勢を正しく保つことができます。具体的には、ヨガのポーズやストレッチバンドを使ったストレッチが効果的です。

10章.運動制御機能を邪魔する体幹トレーニングは、もういらない

水泳選手にとって、体幹トレーニングは非常に重要な要素です。体幹は、胴体の中心部分であり、腰から肩までの筋肉群を指します。水泳は全身運動であるため、体幹が弱いと水中での姿勢制御や推進力の発揮が困難になります。しかし、運動制御機能を邪魔するような体幹トレーニングは必要性がありません。水泳選手は陸上でバランスや神経系の運動制御機能の向上を目的としたエクササイズを努力すべきです。

水泳選手にとって最も重要なのは、水中での姿勢制御と推進力の発揮です。
これらの能力を高めるためには、水中・陸上でのトレーニングが必要不可欠です。
バランスや神経系の運動制御機能を向上させることができます。
これらの能力は、水中での姿勢制御や推進力発揮にも役立ちます。

しかし、体幹トレーニングにおいて邪魔になるものがあります。
例えば、単なるクランチ動作、レッグレイズ動作、プランク動作のみを強度や時間を長くするようなトレーニングは、体幹を鍛えることには役立ちますが、運動制御機能を邪魔する可能性があります。

これらのトレーニングは、工夫すれば体幹の運動制御に役立ちますが、単に補強するだけでは役に立ちにくく水中での姿勢制御や推進力発揮に必要な筋肉の協調性を妨げることがあります。

そのため、水泳選手は、陸上でのトレーニングにおいても、水中での能力向上を目的としたトレーニングに沿ったエクササイズを行うことが重要です。

例えば、片足立ちや目を閉じた状態でのバランス維持などは、水中での姿勢制御に必要な筋肉群を鍛えることができます。
また、反射神経を鍛えるために、ボクシングやジャンプロープなどのエクササイズも有効です。

水泳選手にとって、体幹トレーニングは非常に重要ですが、運動制御機能を邪魔するようなトレーニングは必要性がありません。
陸上でのトレーニングは、水中での能力向上に役立つエクササイズを行うことが重要です。

11章.運動制御機能の向上には、強靭な体幹が必要不可欠

水泳選手にとって、強靭な体幹は非常に重要です。体幹は、胴体の中心部分であり、腰から肩までの筋肉群を指します。水泳は全身運動であり、特に背泳ぎや平泳ぎでは体幹が重要な役割を果たします。体幹が弱いと、水中での姿勢制御が困難になり、泳ぎの効率が悪くなるだけでなく、ケガのリスクも高まります。

一方で、単なる体幹筋力強化は運動制御機能を邪魔することがあります。運動制御機能とは、筋肉を正確にコントロールする能力のことです。水泳では、正確な筋肉コントロールが必要です。例えば、バタフライでは腕や足の動きを正確にタイミングよくコントロールする必要があります。しかし、筋力が強すぎると、筋肉が硬直してしまい、正確なコントロールができなくなってしまいます。

したがって、水泳選手にとっては、強靭な体幹の筋力と運動制御機能の両方が必要です。体幹の筋力を強化することで、運動制御機能を向上させることができます。具体的には、体幹の筋肉を鍛えることで、筋肉の柔軟性や可動域が向上し、正確なコントロールが可能になります。

また、水泳選手にとっては、体幹の筋力だけでなく、姿勢やバランス感覚も重要です。これらは、体幹の運動制御機能と密接に関連しています。例えば、背泳ぎでは背中を丸めずに水面に平行になるように泳ぐ必要があります。このためには、姿勢を正しく保つことが必要です。また、平泳ぎでは体を左右に揺らさずに直線的に泳ぐ必要があります。これも、バランス感覚が重要な役割を果たします。

12章.つまり、「使える体幹」を手に入れよう

水泳は、全身の筋肉をバランスよく使うことが求められるスポーツである。特に、水中での運動は、重力がないために体幹の安定性が必要とされる。そのため、水泳選手にとっては、強靭な体幹の筋力が不可欠である。

体幹とは、胴体部分を支える筋肉群のことであり、腹横筋や腰方形筋、大胸筋などが含まれる。これらの筋肉群が弱いと、姿勢が崩れたり、バランスを崩したりすることがある。また、水中では、体幹の筋肉を使って身体を安定させる必要があるため、強靭な体幹の筋力は水泳選手にとって非常に重要である。

具体的には、背面ストロークや平泳ぎなどでは、腰方形筋や大背筋などの背中側の筋肉を使って身体を浮かせることが求められる。また、クロールやバタフライなどの競技では、腹横筋や腹直筋などの腹部の筋肉を使って身体を安定させ、泳ぎの効率を高めることが必要である。

さらに、体幹の筋力は、泳ぎのスピードやパワーにも影響を与える。例えば、強靭な体幹の筋力を持つ選手は、泳ぎの際により大きな力を発揮することができるため、より速く泳ぐことができる。

13章.まとめ

水泳選手にとって、強靭な体幹の筋力は非常に重要です。体幹の筋力が強化されると、水中での姿勢制御が向上し、泳ぎの効率性が高まります。また、怪我のリスクも低減されます。そのため、水泳選手はトータルケアラボラトリーでスイミングコンディショニングトレーナーによる指導を受けることをおすすめします。

トータルケアラボラトリーには、スイミングコンディショニングトレーナーが在籍しており、水泳選手に必要な体幹の筋力強化に特化したトレーニングプログラムを提供しています。
トレーナーは、水泳選手の現状を把握し、個別に最適なトレーニングメニューを作成します。また、トレーニング中には正しいフォームや呼吸法なども指導されるため、効果的なトレーニングが可能です。

さらに、トータルケアラボラトリーでは選手の筋力や体力の状態を詳細に測定し、トレーニングプログラムの改善に役立てます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?