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「Swift Playgrounds4 × Swift UI 」に教育現場こそ刮目せよ!

■ はじめに

プログラミングとプログラミング教育に興味のある皆様お待たせしました。Swift Playgroundsの大型アップデートがなされましたね!まずは私がAppleに言いたい事はこれです。

SwiftUIをもっと前から推してくれたらよかったのに!!!(推してた)

はい。というわけで、今回は「大型アップデートで何が進化したのか。教育現場でどんな利用法が想定されるか。」という記事です。


■ SwiftPlaygroundsとは? そして何が進化したの?

これについては、色々なところで記事が出ているのでここであえて書く必要もないのかなぁとは思うのですが、簡単に説明するとこんな感じ。

macやiOSのアプリ開発に必要なプログラミング言語「Swift」の「playground(遊び場)」をAppleが沢山用意したiPad・mac用のアプリ。コーディングの概念やSwiftの文法を「遊びながら、友人と協力しながら」学べる。

以下のスクリーンショットはアップデート前のもの。

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それでは、アップデート後のコンテンツを見てみましょう。

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一見増えてるかどうかわかりづらいですね。増えたものに印をつけました。

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コンテンツ増えすぎといった具合。ただ、ここではアップデート前後共にあるコードを学ぼう1を紹介します。Playgroundsって何?という問いにはこれを見てもらうのが一番早いので。

・コードを学ぼう1 について

各プレイグラウンドが並んでいますが「コードを学ぼう1」を選択すると、以下のような画面が出てきます。

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右側にいる生命体Byte君に指示を出します。順序よく、工夫して。今回のステージでは「Byte君に3マス進んで宝石を取る」指示を出せば良さそうです。そのコマンドを記述して「コードを実行」すれば…

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やったね!ステージクリア!ひたすらステージを進んでいきましょう。


そこで、終盤のステージを見てみましょう。

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…は?


難しそうなステージですね。ただここまで来た時には既に「繰り返し」「関数」などの文法と使い方から「インスタンス」「メソッド」「クラス」など、用語の抽象的な概念まで一気に体験しています。私も一周して、よくわかっていなかった用語の理解ができました。Swift Playgroundsとはこういうものです。素敵!

ここまでで既に素敵なアプリでしたが、一つ課題がありました。それは、せっかくコードを学んでいるのに実際にアプリを作っている感覚がなく、創造力を発揮できないため、特に子どもたちが最後まで楽しみにくいという部分なのです。


■ アップデートされたSwiftPlaygrounds 4の魅力

教育現場においては従来の魅力に加えて以下の3点を私は推します。

「iPadでアプリ開発が可能になった」「教科の授業に応用し易くなった」「大人からプログラミング教育の理解を得るキッカケになった」です。ではそれぞれ深めていきましょう。

1.iPadでアプリ開発が可能になった。

これは革命的な出来事ですね。作ったアプリはそのままapp store に申請できる。ゴールが明確なので、コラボレーションの機械を得たり想像力を発揮できる。社会とのつながりや発信する価値を感得できる。テンプレートが豊富なので、少し工夫するだけでオリジナルアプリが作れる…など。挙げればキリがなさそうですが、何よりも重要なのはmacを買い、Xcodeを使わなければアプリの作成はできなかった現状を打破したこと。iOSアプリ作成の敷居が一気に下がったと言えます。コードを学ぶだけでは子どもたちは疲れて今まで多くの子ども達にとって遠い存在だったアプリケーション開発が、目の前に、わかりやすいカタチで現れることになります。こんな感じに。これiPadの画面ですよ!

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↑ 標準でここまで備えている。

Heloo,worldの部分を変えるだけでも、Imageを変えるだけでも即座に画面に反映されるので、アプリケーション作成の実感が味わえそう。

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↑「地震計」だそう。こんなテンプレまであるのか。

何故これが革命的か断言できるかというと…なんとなく面白そうだからと考えてアプリ開発に手を伸ばした中高生にXcodeとstoryboardを使って授業するの、本当に大変なのです。(多くのコマ数がとれれば話は変わるんですけどね。これはまた別の機会にでも話します。)だからこそSwiftUI × SwiftPlaygrounds4が可能性の塊だと考えています。

余談ですが、敷居が下がったと言えば音楽作成アプリGarageBandですね。誰でも簡単に作曲ができるので、授業で作曲を扱い易くなりました。

2.教科の授業に応用し易くなった

テンプレートがいくつか用意されているため、教員の工夫次第で教科へ応用できます。例えば「自分だけの物語を選択する」の画面はこちら。

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マルチシナリオを作ろうね。

物語のストーリーと分岐点を作成するプレイグラウンド。生徒同士で楽しむのもいいですね。コーディングの深い知識が無くても文章をいじる(パラメータを調整する感覚?)だけで作品が出来上がります。上の「詳しい情報」をタップすれば、ガイドが現れます。生徒だけでも進めることが可能です。

教科でのアウトプットに利用できますね。例えば・・・

英語:そもそもの物語を英語で書く

数学:解答のプロセスを選択肢として、どんな結論が出てくるかを準備する。

社会:歴史の人物への質問を選択肢として、どんな返答が返ってくるか考える。

理科:実験手順を選択肢とする。危険な手順を踏むとどんな結論になるかまで想像する。

色々できそうですね。特にkeynoteでアウトプットさせてた先生方は、Swift Playgroundの利用もスムーズにいけるのではないでしょうか。

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↑ 余談。プレイグラウンド「プロフィール」の汎用性凄そう。


3.大人からプログラミング教育の理解を得るキッカケに

アプリケーション作成の敷居が下がったことは、こんなことも可能性として出てきます。敷居が下がったのは、実は大人も同じこと。

例えば校内で行う教員研修で、そして今なら4月の学級開きに利用する自己紹介を「プロフィール」をもとに作ってしまう。パラメータを変えるだけで完成。些細なこともアプリケーションとして表現できるので、校内の先生方にもっと身近に感じてもらえるのではないでしょうか。

iPadを更に校内に普及させたい、深めたい先生方、いかがでしょう。


■ 終わりに

そもそもSwiftUIの知識が足りない自分ですが、プログラミングの勉強に焦点を当てたとき、SwiftPlaygrounds4はどんな価値を持っているんだろうなーなんて。


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