手作り餃子
仕事に行けなくなり電話すらできなくなった日、師長から母へ連絡がいき、職場を早引きしてくれた。
職場だけでなく、親にも迷惑かけてしまった
落胆するよな
と恐る恐る待っていた。
というのも、母も看護師であるため、病気けがに関して動揺することはなく心配する言葉をかけることも滅多ない。むしろ、心配するときは重症なんじゃないかと思うほど。
詳しいやり取りはほとんど覚えていないんだけど、思っていた反応ではなかった。
体調を心配することもなく、詳しく理由を聞くでもなく、
日常。
って感じだった。
餃子作ろうか、と
スーパーに買い物に行った。
豚ひき肉とキャベツ、皮。
キャベツを刻んで、フードプロフェッサーにかけて、
ひき肉とキャベツを粘りが出るまでこねて、
ひとつひとつタネを包む。
単純な作業で母と一緒に過ごす時間にとても救われたことをよく覚えている。
餃子もおいしかった。
私の包んだのだけいびつでたまに具がはみ出てる。
母と料理をするのはいつぶりだっただろうか。
久しぶりに少しだけでも仕事や辛さを忘れられた時間を過ごすことができた。
問題に向き合うことは大事だけど、
ただただ一緒に過ごすこと時間がこんなにも大切で救われるんだと感じた日だった。
いまこれを読んでいるあなたへ。
もし、近くに苦しんでいる人がいたら、
いつものように、ただただ隣にいてあげてください。
みのりもちこ
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