希死念慮
希死念慮
漠然とした「死にたい」という思いを持つ症状のこと
うつ病などの精神疾患に伴うのだが、厄介な症状である。
何が厄介ってさ、
症状 な の に あたかも自分の本心かのようにその人の思考や行動を支配してしまうこと
症状なのに
症状なのに!!!!!
精神疾患は今や脳の病気と言われているように、
脳みそが疲れ切ってしまって正常に作動していない状況なのです。
肺が正常に作動していなければ息苦しくなるように、
脚の骨を折ったら立つことができないように、
転んだら皮膚と血管が破れて血が流れるように、
自分の意思ではどうにもできない範囲のこと。
「そんなこと思ったらダメだよ」「今日を生きられなかった人がいるんだよ」
そんなの知ってるわ!!!!!
だけど、だけど、「死にたい」とばかり考えてしまうんだよ
“希”って薄いっていう意味があるみたいだけど
全ッッッッッッッ然っ 薄くないから!!!!!!
そういう症状なのです。
三穂にもありました。
調子が良くない時は今もまだ時々あります。
一番酷かった時は
「死にたい、死にたい、死にたい…」
と一歩一歩進む毎に心の中で呟きながら土手を散歩していました。
「このまま歩いていけば死者の国にたどり着けばいいのに」と思って歩いては、
疲れて休んでは、〈自殺 方法〉〈苦しくない 死に方〉などと検索していた日々がありました。
(今思うと、そんなにひどい状態なのに散歩に出かけられるほど動けたのが謎なのですが)
あとは、夜布団に入って寝付けないとき、思うように体が動かないとき、予定をこなせなくて自分を責めたとき、、、
希死念慮はやってくるのです。
今では、『あー、めんどくさい野郎が来たな。疲れてるね、もちこ。ソイツ(=希死念慮)は勝手にいなくなるからそれまで付き合ってやって。』と思えるくらいにはなっています。
より良い個体になるために、自死するように決定されている細胞がある。
その細胞の死はアポトーシスと呼ばれている。
幼虫からさなぎを経て蝶になるとき、さなぎの中では身をドロドロにしているそう。
そのさなぎに起きているのがアポトーシス。
おたまじゃくしがカエルになるときに尻尾がなくなるのもアポトーシスだそう。
希死念慮も、さなぎから蝶に変わるように、過去の自分から未来の自分に繋ぐプロセスの一部だったら良いのにね。
人間は10歳前後で自死を選択し実行する能力を得るという説がある
人間の他にも自死する生物がいる
らしいのですが、
なんでそんな能力身につけちゃったんだかね。
そんな能力を身につけなければ希死念慮なんて症状も現れなかっただろうに。
「悲しむ人がいることを思い出してほしい」とかそんな言葉を聞くことがあるのだけれど、
自殺志願者、実行者のほとんどには
支えてくれる人がすぐ隣にいても
思い出すほどの余裕はない
のだと思います。
「死にたければ死ねばいいんじゃない」そんな風に思う人もいると思うけども、
自殺志願者、実行者のほとんどは
辛い、助けて と
言いたいんだと思います。
そんな、厄介な症状があることを知っていただけたらと思います。
自分で黄泉の国へと移った方の報道が多かった2020でしたが、
すぐ隣で
そして自分に
起きることであることもこころの片隅に置いておきたいのであります。
みのりもちこ
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