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猪の毛のブラシ。

こんにちは~ちいさなちいさな雑貨屋さんsweetmarronです。

この日、井筒屋では職人展があっていました。
夫と私はこういう職人展とか陶器のイベントのような、キッチン雑貨などが整うイベントが好きです。

で、何も買うつもりはないのに、ふらりと行ったワタクシたち。

私は名前の由来にもなっている、漫画家の鴨居まさねさんの作品が大好きで
、ここ数年間の中の最新作「にれこスケッチ」を読んで以来、手作りの櫛職人の櫛が気になって仕方ありませんでした。

なぜなら私は高校時代の生徒手帳に「天然パーマ」とハンコを押されるくらいの天パ。そして物凄く髪の毛の量が多い。
年齢を重ねても、増え続ける髪の毛。
髪は人生の数年をのぞいては「佐藤健にしてください」と言っては結局森昌子のようになるベリーショート。

美容室に行くのも、伸びるよりも、髪の毛が増えたら切る感じです。

で、そんな髪質のワタクシに振りかかるのは「櫛」。
コーム類は折れる、竹櫛てきなのは竹が外れる。
と言うことでほぼ手櫛で生きてきたのですが、そろそろちゃんとした櫛が欲しいと思ったワタクシ。

ふらりと訪れた職人展で目にしたのは、3,850円の猪の毛を使った、持ち運びやすいサイズの櫛でした。その時は、店員さんがいなかったので、スタバに行ってその後夫が用事があって出かけた後に一人で再び櫛を見に行きました。

その日は帽子をかぶっていて、店員のおじさまに髪の毛を見せた瞬間「あなたにこのサイズの櫛は無理だわ」と目を若干見開き気味に言われました。

で、全部試していいけど、「これ、試してごらん」と言われたのは、ちょっと大きめの櫛。
梳くと、髪の毛が柔らかく落ち着く。
なんだこれ!

という感じで、凄く馴染むのです。

猪の毛の毛根の方を下にして、黒檀の木に刺した櫛。この猪の毛が硬くて、頭皮に気持ち良い~!

話を伺うと、猪の毛には「オイル」があるので、その成分が梳くだけで髪の毛を艶々にしてくれるとのこと。
程よい強さなので、頭皮マッサージにも最適なんだとか。

櫛の手入れにとおまけをくれました。
弁当箱ブラシって書いてあるけど、櫛に使えるそうです。

ちなみに髪の毛用のブラシは他に豚の毛をつかったものと、この猪の毛のものが何種類かありました。

オジサンに聞いたところ豚の毛は「僕のように髪の毛が少ない人」が使うんだと言っていました。オジサンが愛用している櫛で髪の毛をといているところを、見せてくれましたが、正直本当に少ない髪の毛だけど、オジサンの髪の毛はツヤッツヤでした。

試用したブラシをオジサンが手入れするときに「あなた、髪の毛がほとんど抜けてないね。すごいことだよ。毛根が強いんだね。感謝しなさい」と言われました。通常試供品を使うと、ほとんどの人が割とかなり髪の毛が抜けるんだそうです…。

私にしては中々の清水買いだったので「一生大事にします」と伝えたら
「いや、猪の毛のブラシの効果は大体10年だから。10年後にまたいらっしゃい。もし商品に何かあったら電話して。アナタの場合あと5,6本は使うと思うわ~」とのこと…。10年もたないということか、私があと5、60年生きるのか(もうほぼ妖怪やん!)。

余談ですが帰宅して、同じく多毛な上に長髪の夫の髪の毛を梳かしました。
ビックリするほどしなやかで艶やかな髪の毛になりました…。
いや、猪の毛凄いわ!

そしてもう一つの戦利品はお箸。
ブラシの平野さんを見ている隣に出ていた輪島の漆細工のお店。夫が息子用に黒地に金で描かれたカブトムシのお箸を買うか悩みだしたのですが、「え、子ども用サイズもう勿体ない微妙な感じだから(買うなら)普通の箸にしたら?」とケチケチ主婦のワタクシが伝えたところ、輪島から来ていた店員のおじさまが「このお箸が僕たちも実際使っている、一番丈夫で長く使えるお箸です」と勧めてくれました。
乾燥した漆を吹きつけて作っている(と言うような朧げな記憶…)。

息子が紫が好きなので、紫だけを買うのかと思っていたら
家族3人分と言って夫が3本くださいと店員さんに渡していました。
え…予想外の出費(自分のことは完全に棚上げ…)。

お正月の地震の状況を伺ったら、「在庫を持って販売には行けるけれど、職人さんたちが作る環境はまだ整ってないんです」とのことでした。

だけど、輪島から来ている漆屋さんのおじさまはとても明るくて元気で、こちらも元気をいただいたのでした。

このお箸でご飯を食べるとき、夫はお米が食べやすく美味しく感じると言い出しました。

そういうちいさな楽しみや幸せを与えてくれるモノってやっぱり良いなと思ったし、私もそういうモノを売りたいと思いました。

何より、職人の技が光るものを売っている人々は、自信満々に商品を販売していて、その姿勢もとても学びになりました。

漫画の中では、宮川刷毛ブラシ製作所さんが登場します…。(え…)。

当店にも職人技が光るものがあります。

職人さんの息吹を感じられるもの、やっぱり好きだな~と思います。

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