【俺のニュースリリース】健康診断の再検査報告

規則正しい生活、陸上もやってて、しかも飲酒も喫煙もしない。ところが健康診断は引っかかる。世の中はまことに不可思議極まりない。

貧血。貧しい血と書いて貧血という。「ヘマトなんちゃら値やヘモなんちゃらが低いと血が貧しくなるぞ」的なことをお医者さんが事細かに説明してくれたものの、そこはTOEIC300点台、少々カタカナが厳しい。鉄分もグローバル力も足りないときた。

( 足りないものだらけだ！ )

虚ろに聞いていたが、だんだんと集中力が欠けてきた。原因は、我が腹による減るわ立つわの八面六臂の大活躍。鉄分が足りてない証拠である。こちらの窮状をお医者さんに知ってもらうべく、精一杯の苦悶の表情を作ってみたが、どうやら前のめりになって真面目に聞いているように見えているらしく、むしろ逆効果であった。

その後も双方の認識は交錯し、涙ぐましい葛藤と矛盾を経、漸く病院をあとにした。

帰りに昼食がてら再検査対策をしておこうと思い、近所の100円ショップに向かった。が、その100円ショップは常に品薄で名が通っている秘境紛いの時短営業店舗であり、ヘマトなんちゃらサプリとかいう胡散臭い商品は当然のごとく売っていなかった。諦めきれずお店の人に聞いてみたところ、何をどう聞き間違えたのかトマトジュースを持たされ、訳も分からないまま帰ってきた。

そして弁当を買い忘れているのである。腹はへっているのにはち切れそうになっている。やけくそになってトマトジュースを飲んでみたが、これがほぼケチャップの味わいで実に濃厚が過ぎており、たまらず涙が出てきた。

一旦冷蔵庫で熟成しておくか…と逃げの一手を打とうとするも、我が新居にまだ冷蔵庫を迎えていなかったことに気づく甘目野珈琲(22)。間が悪いことにトマトジュースを大容量欲張りペットボトルで買ってしまっており、もはや自分の胃腸の処理能力を信じて流し込むしかなかった。

赤くドロッとしたトマトジュースを咳き込みながら飲んでいる一般男性の姿は、西洋の古い洋画のごとき気味悪さがあったという。知らんけど

さて「あれだけトマトジュースを飲んだんだから貧血含め健康状態の改善はまったなし！」と思いきや、翌日夜から高熱と喉痛に悩まされることになった。

最後の春休みの数日間はお花見して過ごそうと考えていたが、残念なことに酒の肴はベンザブロックLだった。

教訓 : 日頃から栄養バランスに気を付けよう！

「論語」N子