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伊集院光さんのラジオを聴いて思い出した夏の夜の空脳アワー


皆さんは、伊集院光の深夜の馬鹿ラジオを聞いたことがあるだろうか?
このラジオには「空脳アワー」というコーナーがあり、リスナーが脳がうっかり間違えた、もしくは思い込みによる勘違い、所謂空脳を投稿している。


ここでは、私が「空脳アワー」のコーナーを聴いて思い出した、ある夏の夜の短い思い出を書いていく。




私がまだ幼稚園に入る前のことだったと思います。当時、私は畳の部屋に家族四人で寝ており、就寝前に父が読み聞かせをしてくれるのが大好きでした。


暑い夏の夜だったと思います。父が仕事の飲み会で帰りが遅くなると連絡がきたので、私は一人で寝ることにしました。しかし、いつも読み聞かせの後に寝るルーティーンになっていたのと、その日はなぜか父の帰りを待っていた母が変で、私は寝付けませんでした。



なぜ、母を不気味に感じたかというと、それは家の明かりのせいです。
深夜に近い時間帯だったので、明かりを暗くして、母はテレビドラマを観ながら父の帰りを待っていました。しかし、この時の照明が異様に赤黒かったのを覚えています。ホラー映画でよく見る演出の照明になっており、赤黒い照明の中でテレビの光でぼんやりと映し出される母の顔がなんとも言えない不気味さを象徴していました。
そんな母を少し怖いと思いましたが、もう一つ、変なことがありました。
私は一人ではありませんでした。
いつの間にか、私のとなりには「その子」がいたのです。


私はふたりで遊んでいました。


家族で寝ていた畳の部屋には、私の敷布団の左斜め上に姿見がありました。「その子」は、その鏡の裏から出てきた子でした。
顔は全く思い出せません。でも、声や喋り方から同じ歳くらいの男のだと分かり、この雰囲気を怖いと思った私の元に現れて、一緒に遊ぼうと言われたことを覚えています。そして当時好きだったウルトラマンダイナのソフビでごっこ遊びをしました。しかし、「その子」と遊んでいることを母に絶対に知られてはいけないと咄嗟に判断した私は、何故かひそひそ声でその鏡の裏で遊んでいましたが、母が何か勘付いて、ぶつぶつ何言ってんの?と声をかけられました。
すると、さっきまで遊んでいた「その子」はどこにもおらず、鏡の裏にいたのは私だけでした。
子どもながらに、今の状況に対して夢でも見ていたのかなとも思いましたが、そこにはさっきまで二人で遊んだおもちゃの形跡があったのです。
私は、不思議に思いましたが、絶対に言っちゃいけないことだと何故か感じて、この出来事を母には告げずに先に寝ていた姉の背中にくっつきながら就寝しました。

翌日、母にそれとなく昨日の家の感じ変だったよね?と尋ねると、何が?と返されました。私は「その子」のことは伏せて、家の明かりが変だったじゃん?と聞くと、普通だったよ。と返されました。


それ以来、「その子」は鏡の裏から出てくることは無くなりました。不気味な家の感じも無くなりました。しかし、私の脳内に強烈に残った大人になった今でもわすれられない強烈な夏の思い出になりました。今も、実家にはその鏡があります。それを見る度に「その子」が出てくるんじゃないかと、不安や好奇心が入り混じった感情が押し寄せてきます。

この話は、空脳なんでしょうか?
その子」について、母に教えていたら、どうなっていたのでしょうか?


読者の方々も、このような経験がありましたら、ぜひコメント欄で教えてほしいです。





#夏の思い出


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