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妹の勘違いとお節介に困りつつも感謝する話。

バレンタインの一件から数日経っても、私はまだあの夜を思い出してフワフワしていた。

仕事が忙しい時期だというのに、気付くとRくんの事ばかり考えている。

恋愛に現を抜かすなど言語道断な年齢なのだけれど、それ以前に、私はRくんと恋人になったわけでもないやろとツッコまずにはいられない。

着々と嫌いだった女のそれに向かっていっているなと、我ながら引いてしまう。



そんな私をよそに、Rくんはというと、その後数日間は音沙汰無し。LINEの返信も無し。
返事が来たと思っても、いつも通りの短文。

心なしか絵文字が多めの私に対して、彼の返信は【うぃっすー!】【うぇーい!】等、テンション高く見えるだけの塩対応。

女と寝たくらい何?と聞こえてくるかのように普段通りな彼に、フワフワしているのは私だけなのだなと痛感させられる。

いやそれで正常なのだ。
15年何もなかった相手だからといって、一晩隣で寝たくらいでいちいち浮かれる方がどうかしている。(私)

そうなのだけれど。
こんなに温度差があるものか。。とも思う。


彼は休日忙しいと言っていたし、金曜の夜は割と会う率が高いので連絡してみたのだけれど、友達と会うとはっきり断られた。

仕方ない。山のようにある仕事を片付けるか、と無心でやっていたら、気付くと日付が変わっていた。

スマホを手に取ると、LINEが数件入っていた。
Rくんからだった。
それだけで心拍数が上がる私。

記念のスクリーンショット。(笑)
個人情報は伏せてあるので載せる。



彼から連続で送られてくることはまずないので、瞬時に記念スクショする私。(笑)
我ながら本当に浮かれている。

RくんのLINEは本当に塩対応なのだ、これぐらい浮かれてもバチは当たるまい。


そして件のLINE。
私の妹をとにかくどうにかしてほしいらしい。(?)

私は疲れと眠気に襲われながら、妹に電話をかけた。
「もしもし?」とだけ言った私に待ってましたと言わんばかりに「お姉ちゃん、Rちゃんと何かあった?」と言う妹。

あれだけ眠かったのに完全に目が覚めてしまう。


「な、な、何で!?」

「あったのね!アイツ口割らない。うるせぇって電話切られた。」

「べ、別に何もないけど?」

「お姉ちゃんの家行ったら、ベッドのヘッドボードにネックレスあったから。あんなヤンキーかラッパーしか着けないようなの(妹よ。。)Rちゃんのでしょ?」

………え?ヘッドボードにネックレス…

あった。。。



「あっまさか気づいてなかった!?(笑)」

「…うん。。」

「二人の匂わせかと思った(笑)で、ベッドでネックレス外して何があったのかなぁ?(笑)」



はぁ。
Rくんの忘れ物癖がこんな事になるとは。

寝辛くて無意識に外したのかな!?
忘れて帰るなよ!
いいや、私だ。忙しさにかまけて気付いていなかった私も悪い。

よりによって母よりうるさい妹に見つかるのもツイてない。


妹は、長らく私がRくんに好意があることを当然気付いている。(彼以外皆んな気付いている。)

その後の妹の話によると、Rくんに “あんたお姉ちゃんに手を出すとはいい度胸じゃん” など言ったらしい。

私にも、「お姉ちゃん、好きだからって簡単にヤらせると大事にされなくなるよ。」と言った。
(表現が直接的な上に盛大な誤解。)


ところがRくんによれば、「なんか言ってたねー?うるせえからあんま聞いてなかった」と笑い、それどころか、「ネックレスそこだったのかー!どっかいっちゃったなーと思った!」とまぁ呑気なものだった。

彼は、めんどくさいと思うと一切の話を聞かないので、妹の私への少しばかりの愛と私達に向けられた好奇心は、彼にとっては “なんかうるせえ” の一言に集約されてしまっていた。

まぁうるさいのは事実だから、いいか(笑)



定期的に開催されるご飯会での妹の質問攻めが手に取るように想像できて、戦々恐々としている私。

しかし!

RくんからこんなにLINEが送られてきたことも久しぶりに話せたことも、彼女のおかげと言って過言ではないので、そこだけは盛大に感謝している。


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