「ミクソロジー」という世界へようこそ!

「ミクソロジー」という言葉を聞いたことがあるだろうか?
かくいう僕も数年前までは知らなかった言葉だが、これがここ数年バーシーンで盛り上がっている、というわけで今日はこの「ミクソロジー」をコンセプトにした少々変わったバーのことを書いてみたいと思う。

そもそもミクソロジー(mixology)とは「mix」(混ぜる) と「ology」(科学、学問)という言葉を合わせた造語だ、そこを基点として「従来のリキュールとスピリッツを混ぜるカクテルだけではなく、そこから飛び出してこれまでのレシピでは思いもよらない組み合わせや、最先端の科学などをカクテルに取り入れたもの」と僕は思っている。

例えば、スパイスを使ったり、味はもちろん見た目も奇抜だったり、フローズンカクテルを作るのに液体窒素を使ったり・・・
「少し想像の枠を越えてくるカクテルのジャンル」と言えばイメージできるだろうか

僕がミクソロジーと出会ったのは4~5年前だったか、そのとき通っていたバーのマスターから「変態的な技術のバーテンダーがいる」という紹介を貰ってそのお店を覗いたのが始まりだ。

そこで目に飛び込んできたのはカウンターに並ぶフレッシュフルーツと一緒に鎮座している遠心分離機だった
そんなもの化学の実験でしか目にしたことなかったから大層驚いたのを今でも覚えている。その時頂いたのはマスカットの果汁を遠心分離機にかけ、甘みの成分と苦味の成分を分離させて、その甘みの成分だけで作るカクテルだったが苦味がほぼ取り除かれた「澄んだ甘み」が非常に美味しかった。

それから以降、時々お店に行かせてもらう日々が続き、その中で色々な変わったカクテルを頂いた、「レモンケーキの味がするカクテル」や「レシピを液体窒素で凍らせるフローズンモヒート」やモスコミュールの材料を使わずにハーブなどで「モスコミュール」の味になる「ミミックモスコミュール」等々・・・
飲むたびに「なんだこれ!?めっちゃ美味しいやん!!」と唸るカクテルを毎回作ってくれ、色々な技術を使いこなすここのマスターは本当に凄いと思う。

また、マスターは、お酒のビンを大道芸のジャグリングのように空中に投げたりしてカクテル作る「フレアバーテンディング」も出来るので、大技などは頻繁には見られないが、所作の端々にそういった動きが見られるのも目で見て楽しいところだ。

そのマスターとももう5~6年の付き合いになり、お店も大きくなり、かつては「ラボラトリー」と称していたお店も「ファクトリー」と名前を変え遠心分離などのカクテルは少なくなったが代わり他の少し変わったカクテルが増えた。

中でも面白いのは「今ではほとんど作られなくなり、古いカクテルブックにしか載っていないカクテル」を復活させるというもの、それを現代風にアレンジを加えたりとマスターの腕とインスピレーションが如何なく発揮されている

他にもカクテルと料理のマリアージュに積極的だったり、スタンダードカクテルにアレンジを加える「ツイスト」などにも挑戦してたりとまだまだ期待感が薄れない唯一無二なバーだ。

また料理に関しても「こんなレベルの料理バーで出したら専門店が怒ってくるぞ」と思うぐらい美味しいフードも充実している。
お店が大きくなったことでスタッフも大幅に増員され、腕は超一流だけどクセが「凄く」強いマスターとそれに付き従う同じく腕の良いバーテンダー達がお店を盛り上げている。

バーの名前は
「MIXOLOGY&FACTORY Bar GEAR」
マスター自らが「お酒のUSJ(ユニバーサル・酒・ジャパン)と称する超一流の技とエンターテイメントにあふれた空間だ。
大阪で「少し変わったカクテルが飲みたい」「パリピなノリは苦手だけど、楽しくてしっかりしたお酒が飲みたい」という方には是非オススメしたい1軒。


「MIXOLOGY&FACTORY Bar GEAR」
大阪府大阪市中央区東心斎橋2丁目1−10 3F
https://localplace.jp/t200484744/

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