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2024/04/08

『Seasons of Love 』
私は何をしにアメリカに来たんだっけ
私は何をしにニューヨークに来たんだっけ
それを思い出させてくれる歌



コロナの影響により、演劇の道を閉ざされた。
ニューヨークにある大学の演劇学部に通っていた私は、いつの間にか、“普通”の学部に通う、“普通”の大学生になっていた。

表現の世界へ突き進んでいた私は、
2020年のあの春、問答無用で脱がせられた衣装を無理矢理大きなバッグに詰め込んで、お稽古場を後にした。
それ以来、二度とお稽古場に戻ることはなかった。

それからの間、私はもう1つの自身の興味関心だった、ビジネスの道に突き進んでいた。

3年後の今。
私は次の進路を決め、卒業を目の前にしている。
感謝に尽きる日々だ。

そんな時、帰国を前に、あの大きなバッグを整理した。

そこには、上から順に、大学卒業前最後に書いたペーパー、就活時代のメモ帳、長期インターンやボランティア活動の書類、友人との旅行の思い出、初めて自力で書いたペーパー、大学の入学式のしおりが入っていた。

大学時代の思い出に浸る中で、
大きなバッグの底に、布の端切のようなものを見つけた。

引っ張り出すと、
首元に細いリボンがついた、しわくちゃの白いブラウスが出てきた。

大学1年生になる春、私が人生で最後に来た衣装だった。

この地に来た日を思い出す。
私は何をしにアメリカに来たんだっけ。
私は何をしにニューヨークに来たんだっけ。

この3年間、
私はわざとお稽古場を避けていたのかもしれない。
1分、1時間、1日、1ヶ月、1年と時間が経過する度に、どんどんどんどん、自分がいる場所とお稽古場の距離が遠くなっていた。

改めてその事実に向き合った時、
私はこの音楽を聴きながら泣いていた。

安心した。

普段、ビジネスの世界にいる私は泣かない。

私はまだ、涙を流せる場所にいる。

遠くなったと思ったお稽古場は、意外とまだすぐ近くにあるのかもしれない。

私がただ、目を背けていただけかもしれない。

ここで、私は私に問わなければいけない。

“How do you measure a year in a life?”

追記
大切なのは、未来をどう構築するのか考えた上で、今をどう生きるかということ。過去に興味はない。その時の意思と覚悟で未来に向かって走り続けた自分をrespectするし、それを支えてくれた方々に感謝の気持ちでいっぱい。

私はただ、今をどう生きるかを考える。

※ヘッダーのお写真は、小5〜高3の頃に参加していた舞台のお写真をお借りしました。
今回のお写真は、中2でオズの魔法使いのライオン役を頂いた時のもの。今の自分の原点です。

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