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#4|文系が2週間でアプリ制作をした件(Google日本オフィスへ行ってきた話もあるよ)

以下、昨年7月に投稿しようとしていた記事です。
眠らせておくのはもったいないので、そっと公開しておきます。
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こんにちは、とんとんです。

さて、今日のタイトルは、『文系が2週間でアプリ制作をした件』!!!

なかなかクールでしょう?

実は今回、かねてより志望していたプログラムの選考に通過し、念願だったプログラミングを学習する機会を得ました。今日は、そこで得た学びについて書きます。

この記事は、
・ITなんて自分とは無縁だな…
・理系のキャリアなんて考えたことない
・女子だからなんとなく文系の道を進んできた
・性別関係なく、経済的自立を果たしたい!グローバル賃金を稼ぎたい!

という方にほど読んで欲しい。

それでは本題にGO!


1. 文系学生、2週間でアプリ制作をする。

ー『特定非営利法人Waffle』って?

先述の通り、かねてより志望していたコミュニティで念願だったプログラミングの勉強をする機会を得ました。

そのコミュニティの名は、『特定非営利法人Waffle』です。
IT教育に興味関心のある方は、もしかしたら聞いたことあるかも…?

▽Waffleとは?

Waffle(ワッフル)は、IT分野のジェンダーギャップ解消を目指し、女子&ジェンダーマイノリティの中高生や大学生に無料でプログラミングを学ぶ場を提供している非営利活動法人です。
中高生に向けた無料のウェブサイト作成コース「Waffle Camp」、大学生・大学院生に向けた無料のプログラミング研修「Waffle College」を実施しています。また、国際的なアプリ開発コンテスト「Technovation Girls」の国内での出場支援、企業との協働による各種イベントの開催、「第5次男女共同参画基本計画素案」に対するパブリックコメントをはじめとする政策提言も積極的に行っています。(HPより引用)

https://www.camp.waffle-waffle.org/?utm_source=HP&utm_medium=usual&utm_campaign=hp20200707

2020年、こちらの団体のCo-Founder/CEOの田中沙弥果さんとCo-Founderの斎藤明日美さんが、Forbes JAPAN誌が選ぶ “世界を変える30歳未満30人の日本人”に選出されたり、第4回ジャパンSDGsアワード「SDGsパートナーシップ賞」を受賞されるなど、社会的評価も高い団体です。

▽『VOGUE JAPAN』による、お二人へのインタビュー記事

様々な活動を行うWaffleですが、私はその中の『Waffle College』という事業のエントリーコースに参加しました。
Waffle Collegeは、「全国の性自認が女性およびノンバイナリーの大学生・大学院生のためのテックキャリアを目指すコミュニティ」で、エントリーコースはプログラミング初心者向けのプログラムとなっています。
志望動機の提出や、指定されたプログラミングツールでの事前学習を踏まえた選考が必須ではありますが、内容は超豪華。

毎日のプログラミングの講義をはじめ、Waffleが掲げるミッションの通り、ジェンダー講座やキャリア講座など、「女性やジェンダーマイノリティがITを学ぶ意義について考える機会」も超充実。
Googleの社員さんへのキャリア質問会や、大手企業勤務の性的マイノリティの方による講演等もあり、キャリア形成の考え方や自分や他者のidentityに対する向き合い方について学ぶ機会もありました。

ー14日目にぶっ倒れるまで作業し続けた2週間

このような最高の環境下でのプログラミングの勉強。
学び溢れる毎日でした!

……が、課題の量・作業量も半端ない!!!
2週間という短期間のコースでしたが、毎日1時間半の授業に加え、質・量ともにchallengingな課題が毎日課されました。日中は、それぞれ学校やバイト、インターン等の予定がある中で、毎日夜に授業と難易度の高い課題に取り組み続けることは想像以上にハードでした。

第2週目になると、1週間後の成果物発表に向け、チームでのアプリ作成と個人でのポートフォリオ作成が始まりました。

アプリ作成のゴールは、「身の回りの社会課題を解決をするアプリを企画し、基本的動作の組み立てとデザインを完成させること」。
今回はプログラミング初心者向けのコースということで、『Thunkable』というノーコードツールを使いました。

Thunkableの実際の画面

イメージとしては、数式のように、細かな動作のブロックを組み合わせて1つの大きな動作を作り上げる感じ。なので、所謂プログラミングと言われて思い浮かべるような、天才ハッカーが黒い画面にひたすらコードを打っていくアレではないです。

とは言いつつ、発表会の早朝までみんなでPCにかじりつくぐらいに難易度は高かったです。

ー 実際に作ったアプリ

私達のチームは、性被害に遭った際に取るべき行動マニュアルを掲載した、「あなたを守り隊」というアプリを作成しました。

制作のプロセスは、①アプリのテーマ・目的設定→②搭載する機能・デザインのイメージ設定→③実際に作る、という流れでした。
以下、各工程の詳細です。

①アプリのテーマ・目的設定
この工程では、まずテーマの設定に向けて議論を行いました。
具体的には、世界と比較した日本在住の女性の痴漢被害経験率の高さに着目した後、痴漢被害を減らすアプリの作成は難しいが、被害に遭った際の行動マニュアルはニーズがあるのでは、という結論に至りました。

また、目的としては、「性被害に遭った直後のパニック状態でも、適切な行動マニュアルをたどり着けるアプリを作成すること」を設定しました。

実際に被害に遭った際、次に取るべき行動についてネットで検索したとしても、パニック状態の中で膨大な情報を処理し適切な情報を得るのは難しいですよね。そこで、パニック状態でも答えやすいその場の状況に関して複数の質問を答え、適切な行動マニュアルをたどり着けるアプリを作成することになりました。

②搭載する機能・デザインのイメージ設定
ここでは、上記の目標実現のために、実際に搭載する機能やデザインのイメージを皆で議論して設定しました。
この工程こそ、ここまでの学習が発揮される場でした。

機能面では、パニック状態でも操作できる簡潔な動作作りを目的として、以下のような機能を搭載することにしました。
例えば、1つ目の質問として「今どこ?」が表示され、回答として「駅構内」「電車内」「駅の外」が選択肢が表示され、2つ目の質問として「何をされた?」が表示され、回答として「触られた」「盗撮された」などの選択肢が表示されます。これらの簡単な質問の回答情報を基に、適切な行動マニュアルが出るイメージです。
こだわりポイントは、質問内容は、場所や実際に起きたことなど、誰でも判断できる客観的事実に基づく情報にすることと、あらかじめ選択肢を用意しておくこと。これであれば、パニック状態でも比較的操作しやすいのではないかと考えました。

また、デザイン面では、パニック状態でも冷静な行動が取れるよう、瞬時に理解できる言葉遣いや字の太さ・配置、また落ち着いた配色を意識しました。

このように、ユーザー視点に立って機能とデザインを考えるという学びを活かしながら機能とデザインのイメージを設定しました。

③実際に作る
さぁ、ここからが本番!笑
鬼の集中!鬼の気合い!笑

ブロックを組み立てる→動作確認→また組み立てる→動作確認…
をひたすら繰り返していきます。

当たり前ですが、まぁこれがうまくいかない。
上記と重複しますが、このツールのイメージは、数式のように、細かな動作のブロックを組み合わせて1つの大きな動作を作り上げる感じです。

なので、どこかで計算ミスをしたら、式の立て方が合っていても最終的な答えが合わないように、
どこかで組み立てミスをしたら、ブロックの組み立て方が合っていても、最終的な動作が合いません。

大きなミスを防ぐために、動作確認を頻繁に行っていたのですが、それでもミスはつきもの。
学習し立てでブロックのロジックを100%は理解できていない状態なので、数式の計算ミスを発見するように簡単にミスを発見できるわけでもなく。

ここはひたすらチームでコミュニケーションを取りつつ、互いのブロックを確認し合うなどして、皆で乗り越えました!

このようなプロセスを経て、無事発表会までにアプリ完成!!
たしかみんなで連日徹夜して発表会当日の早朝に完成した記憶が…。笑
発表会のあとの予定を聞くと、みんなが「睡眠」と答えていました。
私も無事爆睡しました!笑

このチームでのアプリ開発の他に、HTML・CSSを使用した自己紹介ホームページも作成しました。(これは所謂プログラミングと言われて想像する、画面にコード書くやつ)
発表会当日に、同じ学習内容にもかかわらず、コードの組み合わせによって全く違う機能とデザインの皆の成果物を見て、これまたITスキルの可能性を実感。

ー 2週間で学んだこと

このような一連の学習を通じて、ITスキルは社会課題の解決の幅を大きく広げることを身をもって学びました。
また、プログラミング未経験だった自分にとっては、「基礎をきちんと学習し、ひとつひとつ組み立てていけば成果物は完成する」を体現できたことも大きな収穫でした。

テックキャリアに対して、熱い思いを持った全国のみんなとの出会いも本当に宝物。感謝の気持ちでいっぱいです。
(面白かったのが、参加者全員の共通ルールとして、「互いに大学名と名前を言ってはいけない」というルールがあったこと。このルールにより普段無意識のうちに持っているだろうバイアスが大きく取り除かれた状態で、純粋な言葉とプログラミングスキルのみによるコミュニケーションを取ることができました。)

2. 問答無用で文系を選んだ後悔

実は、私は昨年もWaffle Collegeの選考を受けていたのですが、結果は不合格でした。正直、昨年はなめてかかっていました。志望動機のロジックも熱さも完全に欠如していました。大反省。

しかし、今年の5月。
今年のWaffle Collegeの説明会の宣伝が、複数あった日程の最終回の前日に流れてきたのです!
応募するには説明会への参加が必須だったので、「これは運命!」と思って即説明会に応募しました。そして、そのままの流れで選考にも参加。昨年の反省を踏まえて志望動機を書き、合格をいただきました。

そんな流れでWaffle Collegeに参加しましたが、そもそも参加した理由として、問答無用で文系を選択したことへの後悔がありました。

私が人生で初めて文理選択を迫れらたのは高校受験の際に受験する学科を選ぶ時だったのですが、「理系を選ぶ」なんて考えたこともありませんでした。

理系が得意という意識はさらさらなかったので、問答無用で文系を選択。
「本当にそれでいいの?」なんて聞いてくる大人も周りにいませんでした。

しかし、今自分が当時に戻れたら、文系と理系、それぞれを選んだ場合のその後の選択肢の豊富さをしっかりと比べた上で選択すると思います。(そもそも、文理選択するのは日本特有なのだが。)

事実、日本人の数学能力はOECD加盟国の中では常にトップにランクインしています。
(↓ただ、OECD以外も含む全参加国の中だと、日本より北京・上海が上なんだよね。なんなら香港、台湾も。これは日本の数弱意識/文理の分断も起因してそう。)
https://www.nier.go.jp/kokusai/pisa/pdf/2018/01_point.pdf

実際、私はアメリカの大学へ行ってからも数学に触れることがありましたが、問題なく対応できました。

つまり、普通に数学できるのに、中学生の頃の1回のつまづきで「私文系だわ」って思ってしまったのです。そしてそれに待ったをかけてくれる大人もいなかった。
あと、私がいた学校の理系クラスは女子比率が低かったので、「理系は超優秀な女子が行くところ」と当時は思っていました。リケジョ、っていう言葉が生まれるくらいだから、日本社会全体そういう認識なのでしょう。

そんな私は、Waffle Collegeに参加したことで、これらの自分の認識が大間違いだったことに気がつきました。

細かいデータはぜひ上の書籍でチェックしてみてください。
(Waffle出版です。文系の人、世の中を正しい数値で見たい人、お子様の進路選択をバイアスなく応援したい方にこそオススメ。※回し者ではないです!笑)

3. ITは夢を叶えるツール

今回Waffleのプログラムに参加した上で、2つの側面で「ITは(自分にとって)夢を叶えるツール」だと言えると感じました。

1つ目は、スキル面。私は子ども達がアートを通して自己分析できるコミュニティ作りや、女性の地位向上など人道的な社会課題に関心を持ち続けてきました。
一見ITとは何ら関係のない領域に見えますが、ITこそ、これらの夢を実現するツールなのです。
例えば自分でホームページを作れたら、事業内容の発信や告知を、既存のサービス/機能にとらわれず自分の好きな方法で行えます。デザインも、機能も、自分でカスタマイズできたら、外注なしで自分の世界感を自由の表現し、考えを発信できると思います。

2つ目は、金銭面。
言わずもがなですが、やはりIT人材の需要は高く、その分得られる賃金も高いです。

日本では、2018年時点で22万人エンジニアが不足していて、今後さらに不足するとされています。
(参考:『IT 人材需給に関する調査  調査報告書』みずほ情報総研株式会社
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/houkokusyo.pdf

ゆえに、収入が高い。
例)
30~34歳女性の平均年収:380万
同年第ITエンジニアの平均年収:428~558万円
(参考:『令和2年賃金構造基本統計調査』厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/content/000817351.pdf

自身のスキルに見合った賃金を支払ってもらい、経済的自立を果たすことは、夢を叶える上で重要なことです。
(個人的な話だけど、アメリカ人に囲まれて過ごす中でこの意識がさらに強まった。自身の成果に対して妥当な報酬をきちんともらうことは超絶大切。だから大学でみんな必死に成績維持してなるべくいい企業に行く。※全員ではない)

これらのデータから、ITスキルは、自分にとって夢を叶えツールになり得るスキルだと考えました。


自分とは全くの別世界だと感じていたプログラミング学習において、「自分でもできる!」を体現したこの2週間。

ただ、正直な感想を言うと、この2週間の学習を通じた上で、自分はこれからテックキャリアを目指す可能性は低いかな…と感じました。笑
30歳を一旦の区切りとして考えると、これからIT学習に膨大な時間を投資するよりも、営業やコンサルとしてのスキルを身に付けて、自分の興味関心に向かった方が楽しそうだし稼げそう。

ただ、実際にITスキルを学び、テックキャリアの世界ついて多様な視点から学んだ上で、自身のキャリアに向き合えたことにこそ大きな価値があると感じています。
また、営業職やコンサル職としてIT業界に携わる可能性は多いにあるので、テックキャリアやIT業界の市場動向については引き続きチェックしていきます!

今回携わってくださった全ての方に感謝!ありがとうございました!

おまけ(Google日本オフィスへ行ってきた!)

今回の全プログラミングを修了した人に向けた、Google日本法人のオフィスツアーにも参加してきました。
渋谷駅直結の渋谷ストリームに、2019年に移転した同社オフィス。

まず、受付から漂うその堂々たる風格に圧倒されました…。
(余談だけど、大企業の受付ってなんであんなにそわそわしちゃうんだろうね。その企業の歴史、事業、ヒト、カネがギュッと詰まってる1つの箱に吸い込まれるドキドキ感。伝わる?)

↑外観はこんな感じ。

設備も圧倒的でした。(中は写真撮影NGでした!)
フリーアドレスのいろんなデザインのデスクはもちろん、オフィスの真ん中にどーんと存在する、何フロアかを繋ぐ螺旋階段も圧巻。(何十階を降りる避難訓練もあるらしい)
誰かのお家みたいなゲーム部屋、ゲーセンみたいなゲーム部屋、ボルダリング、卓球台などもありました。(それぞれに意味があったと思うのだけど…ごめんなさい、記憶が曖昧なので記載しないでおきます)

そして、私が最もexcitedしたのは、なんと言っても社員の皆さん。
まず服装からして、アメリカの大学みたいでした。デコルテざっくりめのリゾートワンピやパーカー等、ゴリゴリの日系企業だったらあり得ないような多様性でした。

そして、社員さん同士の対話がとてもラフ。
また、普段社内ミーティングをする際は、1人でもEnglish speakerがいたら、その場の使用言語は英語に統一するそうです。さすが。

これらの社員さんの雰囲気からして、自分が普段いるアメリカの大学と比較して違和感が全くありませんでした。
もちろん、ビジネスの場であることは大きな違いですが、私がゴリゴリの日系組織に対して感じる、「皆が見えないルールに支配されている恐怖感や窮屈感」は全くありませんでした。

当日いただいたどら焼き🍵

さて、今回はここで締めくくります!
貴重な機会に感謝!
こんな環境で働きたい!という思いを胸に、アメリカに戻ります!

bye!

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