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名付けて衣類手記第8話【みんなで勝手な判断】

どうも衣類です。
今日の絵はずいぶんいい加減です、下水かな?運河かな?これを描いたときはたしか水が流れているのを描きたかったはずです。
今ではどういう場所なのか判断できません。
でも実際に見ていない、存在しない場所を描くのって楽しいと思います。


さて、僕は早合点しがちな奴でよく勝手な判断をしてしまう。
発達障害の特性ともいえるこれだが、僕としては世界もよほど勝手な判断ばかりだと思っている。

子供の頃お世話になっていた託児所では、よく職員さんが子供らを公園に連れ出してくれていた。
ある日僕はブランコをしたくて一緒になった子達と「40秒で交替しながら遊ぼう」と決めた。
しかし僕の番がくると、待っている子は14秒しか数えていないのに「交替して」と迫ってくる。
僕としては「えっ」である。
「違うよ14じゃなくて40だよ」となんべんも説明したが相手は納得していないようだった。

発達障害の特性かどうかはわからないが、僕は迫られたり急かされたりすると、ことを正しく説明することができない。
今振り返ってみれば、14と40の違いが判別できない子に「違うよ」といっても仕方ないのだ。
例えば「10秒を4回数えるんだよ」とかちゃんと説明をすればその子でも40秒を数えることができたはずだ。
しかし僕は困惑が先行して「違うよ」としか言えなかった。
僕自身、否定から入られるのが苦手だし、分からないことを責められるのは怖く感じる。
僕も否定から入るのはよくなかった。

そして何度目かの交替でブランコを漕いでいる時に、ブランコの前に飛び出してぶつかってきた子が居た。
僕はびっくりして何も説明ができなかったので、引率の職員さんからは僕がその子に怪我をさせてたと認識され「もうブランコをやめなさい!!」と怒られてしまった。
(注意の仕方としてもブランコをやめろはちょっとおかしいけど、職員さんも引率責任者として怪我人を出してしまい焦ったんだと思う)
「ブランコを漕いでいる所にその子が飛び出してきました」と言えれば問題はなかったろうが、急に怒鳴り飛ばされてしまっては説明も何も、委縮してしまって何もできない。

僕たちは事前に用意する時間でもない限り、どう思ったか?何があったのか?を順序だって説明することが難しい。
状況判断が必要な時は、少ない語彙力の中から言葉を選ぶ時間と、状況を判断する時間とを確保してもらえれば話しやすくなる。

……が、生きていると即座の返答を求められることばかりだから仕方ないことなので
この症状は諦めて経験値を積むことで共存していくしかない。

僕たちも二次障害で被害妄想や虚言等をしてしまうことはあるかもしれないが
世間も僕たちにとってはだいぶ事実とは違う事ばかり認識する存在である。

この世界はみんなでする勝手な判断でできている。

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