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「共感」から生まれ広がる。日々に寄り添うプロダクト「KINTO」が描く世界観の届け方

フォトグラファーの三浦えりです。

今回のSWAY magazineではテーブルウェア、キッチン・インテリア雑貨のブランド「KINTO」のチーフブランディングオフィサー小出慎平さんにお話をお伺いします。

第3回目のインタビューではKINTOの日常に寄り添うプロダクトの世界観についてお伺いしていきます。KINTOのInstagramを自分もこんな暮らしができたらといつもワクワクしながら見ています。素敵な日常の世界観はどのように考えられ、共感する人々にどうやって届けられているのでしょうか。

小出慎平 / KINTO チーフブランディングオフィサー
1985年奈良県奈良市生まれ。慶應義塾大学卒業後、米系消費財メーカーのブランドマネージャーに従事。2019年4月より父・美樹が代表を務めるKINTOへ入社。チーフブランディングオフィサーおよびKINTO USA/EU社長として、マーケティングから組織開発までブランディングの司令塔として企業活動に携わる。

藤巻滉平 / 株式会社SWAY 代表
大学在学中に起業し、家庭教師マッチングサービスを行う。その後事業売却。2017年に開発/投資を行う企業へ入社。受託開発とベンチャー投資事業をメインに、投資先、ベンチャーから大手企業まで様々な新規事業開発に従事。要件定義、UIUX設計、Web/アプリ開発、PM業務まで一貫して担当。2020年に受託開発やインターネットサービスを提供する会社を起業。2021年に株式会社SWAYを設立し代表取締役に就任。

梯航生 / SWAYブランドマネージャー
コンセプトデザイナー。ITベンチャー企業の新規事業開発室にてPdM,UXデザインなどに従事後、独立、フリーランスとして活動。分解と構築が趣味。

KINTOの日常に寄り添う世界観が生まれるまで

梯:商品企画はメンバーが「いいと思ったもの」を軸に制作しているとのことですが、世界観を作り上げてから商品開発をするのか、それとも商品開発をしていき結果的に共通する世界観が生まれるのか、どちらなのでしょうか。

小出:ブランドが生まれて初めの10年は後者でしたね。それぞれの商品が使われるシーンを思い描いて商品企画をしていたので、一つひとつの商品に世界観があり、全体としての世界観で統一していくことの優先順位は低かったかもしれません。ただ、KINTOのこだわりとして、デザイン性だけで使い勝手の悪いものや、一過性の流行りのデザインに飛びつかないなど「こういうものは作らない」という共通認識は持ちながら開発に取り組んでいました。

梯:現在は、ブランド全体の世界観を保ちながらどのように商品を届けていますか?

小出:ブランドが生まれた当時と今では展開する新商品の数も異なります。当時は半年で10シリーズ以上を導入し、その中で生まれた商品の一部を定番化していくという方法でした。いまはシーズン毎に展開はしていますが、3~5シリーズ程度の新製品投入になっています。今後の定番商品となり長く売り続けていけるような、自分たちが自信を持てるものだけを届けています。ブランドが生まれて20年が経ち、世界観を積み上げてきたからこその変化だと思います。

藤巻:小出さんのお話を聞いていて、KINTOの根底にある大切な価値観が気になりました。

小出:公式ブランドサイトの Aboutのページに「こころ豊かな日常」という言葉があります。僕自身も休みの日はハンドドリップでコーヒーを淹れて、香りを楽しみながらくつろいだり、ひと手間かけて料理をしたりすることで幸せを感じています。

社員とも素敵だと思う時間の過ごし方についてよく会話をするのですが、そういう時間や価値観を幸せだと感じる人の生活にKINTOの商品が少しでもお手伝いができればいいとなと願っています。

インスピレーションからプロダクトアウトについて

梯: 海外を訪れインスピレーションを得て、商品を開発し日本で販売するKINTOの商品企画は、どのように展開されているのでしょうか。

小出:既に存在しているものや他社が簡単につくれるものではなくて、KINTOならではのものを生み出すことを大切にしているので、海外で流行っているものをそのまま日本に展開することはありません。

定番商品になっているタンブラーも、海外の街中でタンブラーを散歩しながら持ち歩いたり、バックパックに差し込んでいる風景を見て、それらのタンブラーのデザインや使い心地がもっと素敵であればいいのにと思ったことがきっかけですね。

photo by KINTO

梯:商品そのものに目を向けるというより、使う人に寄り添った視点なんですね。

小出:海外でインスピレーションを受けることがあるとは言いましたが、企画チームは日本で日々生活していますし、国内でインスピレーションを受けることもたくさんあります。スタッフの暮らしのなかで「もっと素敵なものがあればいいな」と感じて生まれたプロダクトもありますね。幅広い視点を持ちつつ、自分たちが素敵だと思えるものを見つけて商品を開発していく。そして、共通する価値観を持っている人たちがいると信じて、世の中にプロダクトを届けています。

「体験」から広がっていく、KINTOが届ける世界観の伝え方とは

– 中目黒に直営店をオープンしたいきさつを教えてください。

photo by KINTO

小出:インテリアショップやアパレルブランドなどに商品の一部を置いていただくことが多く、素敵にディスプレイしていただいているのですが、あくまで店舗の一部分なので空間全体をKINTOの世界観として伝える場所を作りたいと思ったことが直営店を始めた理由です。

梯:僕も訪れたことがあります。店舗の中を歩きながら自分の部屋とイメージを当てはめたりして楽しかったです。なぜ中目黒という場所を選定されたんですか。

photo by KINTO

小出:店舗周辺の環境との相性を大切にしました。お店まで歩く道や、買い物を終えた後にお客さんがどんな風に過ごすのか、家を出てからKINTOの店舗を訪れ帰るまでの行動も含めて世界観に触れられる体験にしたかった。そう考えると人の多すぎる中心地よりも、ゆったりと時間が流れる街で、僕たちも共感するこだわりのあるお店が並ぶ街がいいなと思い中目黒を選びました。

梯:ただ買い物をするだけでなく、世界観を体感できるようにしたんですね。小出さんのお話を伺って、本当にいいものを納得して選ぶことで生活が豊かになるのだなと改めて考える機会になりました。

3回にわたりお届けした小出さんのお話からはずっと「共感」が根底にあるような気がしました。「自分たちKINTOがいいと思うこと」「自分たちが幸せに感じる価値観をいいと思ってくれる人がいるはず」ーー小出さんの言葉からは社内の人たちとプロダクトを購入する人の垣根を超えて大切に共有する「価値観」があり、世界観をつくるインスピレーションの源になっているのだと感じます。

KINTOはもちろんのこと、自分自身がいいと思うものを選んだ先に素敵な未来が待っているように感じられるお話でした。

執筆・写真
三浦えり / フォトグラファー

雑誌、Webメディアを中心にフォトグラファーとして活動中。旅や地域を中心に執筆&撮影もしています。また、個人の活動として社会課題へ写真で向き合うことに挑戦しています。2020年には表参道ヒルズROCKETにて写真展を開催。将棋とアートが好き。
Website : https://erimiura.com/
Twitter:https://twitter.com/eripope
Instagram:https://www.instagram.com/eripope/

「SWAY」
“Sway between _____s.”
あいまいを味わえる場所

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アクセス:渋谷駅 徒歩8分 / 神泉駅 徒歩3分
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