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明日から臨床で使える!ポジショニングの教科書

こんにちは!hayato(@kimamareha_blog)です!

今回は明日から使えるポジショニングの知識についての記事を書きました。

ポジショニングとは
運動機能を有する者に、クッションなどを活用して身体各部の相対的な位置関係を設定し、目的に適した姿勢(体位)を安全で快適に保持すること。
※日本褥瘡学会ホームページ用語集より抜粋

若手のセラピストは徒手的な技術も治療のための評価に目がいきがちです。

しかし!もっと大事なことがあります。

それはリハビリをするために身体のコンディショニングを整えておくことです。

突然ですが質問です。

あなたは1日に同じ患者に対して何時間リハビリをしていますか?
多くの方は1時間前後です。
24時間のうちたったの1時間です。

ちなみに寝る時間は約8時間です。(入院している方はもっと長いかも…。)

なにが言いたいのかというと。

リハビリ以外の時間で不良姿勢が長時間にわたるとリハビリの効果は激減してしまうということです。

例えば…。

せっかくリハビリで股関節外転の可動性が改善したのにそれ以外の臥床時間で内また(股関節内転内旋位)になっていたらどうでしょう。
その時間のリハビリの効果を無駄にしていますよね。

何が良くなかったのでしょうか?

リハビリの内容ではありません。

それ以外の時間の姿勢が悪かったのです。

いくら腕の良いセラピストでもリハビリ以外の時間を蔑ろにしていると患者様の機能は良くなりません。

『リハビリ以外の時間の過ごし方』とはここでは『ポジショニング』を指します。

今回は、ポジショニングの重要性と技術について私がこの1年間に学んだことを1冊にまとめてみました。

『この姿勢にはこのピローをこのように挿入する!』といった内容ではありません。以下の2つが理由です。

1.他の症例に応用が利かなくなる
2.ポジショニング千差万別

ポジショニングの基礎的な知識を中心にポイントをまとめた内容となっています。

基礎を知っておけば様々な場面での応用が利きます。

ブログの方でもポジショニングの技術についての記事を書いていますが、より基礎的に学びたい方に向けてこの記事を書きました。

追記(2022.2.10):ポジショニングの目的

1.拘縮や関節の変形を防ぐ
2.筋緊張の緩和
3.誤嚥性肺炎の予防
4.痛みを軽減する
5.褥瘡を予防す
6.換気血流比の改善
7.身体認識を促す(身体の中心や部位などの認識)
8.摂食・嚥下機能の維持と促進
9.安楽性の獲得
10.気道内分泌物の移動・促進
11.荷重側(下側)肺障害の予防
12.無気肺の予防
13.覚醒の向上

ざっと挙げただけでもこれだけの効果があります。
デメリットが存在しない治療と考えてもらっても構いません。

逆を返せばポジショニングが不適切だと下記の問題が発生します。
つまり…

1.拘縮や関節の変形
2.筋緊張の増加
3.呼吸機能や消化機能の低下
4.疼痛の増加
5.褥瘡の発生
6.血流の停滞
7.身体認識の低下
8.摂食・嚥下機能の低下
9.不安定性

などなど…。ポジショニングが上手くできていない場合に身体に起こる不利益な現象はこんなにもあります。

我々セラピストはこの事態を見逃すわけにはいきませんね。

ポジショニングを必要としている方々とは?

ポジショニングを必要としている方の特徴は主に介護や看護を受けている人たちです。

介護や看護を受けている方は臥床時の不快感を取り除くことが難しいのです。
拘縮・筋緊張の亢進・脳血管疾患による麻痺・疼痛などの原因により、思うように身体を動かすことができません。

私たちは不快感があれば身体をよじったり寝返ったりして不快感を取り除くことができますが、介護や看護を受けている方々はそうはいきません。

不快感は身体のSOSサインです。

放っておくと身体に危害が出てきます。
具体的には、臥床時にベッドとの圧迫により局所的に血液循環が低下し、褥瘡が発生することを指します。

身体同士がぶつかり合い痣(あざ)を作ることもあります。

また、その不快感をどのように除くかを対象者自身が無意識に考えた結果、不良姿勢による拘縮や筋緊張の亢進を生じます。

と考えると不良姿勢は『不安定、不快感のある環境から逃れるために自身で試行錯誤を繰り返した産物』と言えるでしょう。

と、ここまではブログでもお伝えした内容ですが、ここからが本題です。

図17

『基礎』と『応用』に分けてポジショニングを深く学んでいきましょう。

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