明日から臨床で使える!ブリッジの教科書
はじめまして!hayato(@kimamareha_blog)です!
初めてのnote投稿となります。今回は、手技手法に囚われず、改めて基礎的な運動を深く探ってみたい…ということで、
第1回目は『ブリッジ運動』を取り上げてみたいと思います!
ブリッジ運動は臨床で幅広く使われている運動の一つですが、目的をご存じですか?
目的と言っても、『なんとなく』大殿筋を鍛えたいから…。になっていませんか?これではもったいない!
ブリッジ運動以外の運動にも言えることですが
関節の角度、骨盤の傾き、両脚or片脚…条件を変えることで効率よく鍛えられる場所が変化したり負荷量が変わってきます。
これらの条件を知っておくことで治療の幅が広がります。
ブリッジ運動の目的
ブリッジ運動の目的について以下のように述べられています。
市橋らによると、臨床でのブリッジ運動は、整形外科疾患においては、大腿二頭筋長頭、大殿筋、脊柱起立筋などの下肢・腰部の筋力強化として実施されており、一方、中枢性疾患においては、下肢の分離運動のトレーニングとして実施することが多いと報告している。
市橋則明 他:各種ブリッジ動作中の股関 節周囲筋の筋活動量-MMT3との比較- .理学療法科学13(2):79-83,1998.
ブリッジ運動の目的をまとめましょう。
1.下肢・腰部の筋力強化
2.下肢の分離運動のトレーニング
ブリッジ運動の『フォーマル』な姿勢
まずブリッジ運動の基本的な姿勢を復習しましょう。
姿勢:背臥位で膝関節約90°の屈曲位 足部は肩幅より少し開く
※麻痺側が保持できず、倒れてしまう場合は壁に膝の外側を立てかけたり、支えてあげましょう。
※今回のブリッジ運動に関する図において上肢は床につけてますが、代償運動になりかねないので、それを避けたいとき又は負荷を上げたいときには胸の前でクロスさせましょう。
そのまま臀部~背部を持ち上げます。(上図)
これがブリッジ運動の基本的な動作になります。
開始の姿勢に負担が少なく、動作・指示ともに簡単にできるので便利ですね。
ブリッジ運動は大殿筋を鍛えることもできます。上記に示したブリッジ運動について大殿筋の筋活動量に着目してみましょう。以下の図をご覧ください。
ブリッジ運動と大殿筋のダニエルのMMT3の肢位(以下MMT3)の大殿筋の%RFEMGを比較した図です。
※RFEMGとは整流平滑化筋電値のこと(難しいことは考えずに、簡単に『筋力』と考えて良いです。)
※%RFEMG=各動作時の3秒間の平均RFEMG/最大収縮時の3秒間の平均RFEMG×100
ブリッジ運動での大殿筋の筋出力は、MMT3で大殿筋が発揮する筋出力の1/3程度ということになります。
『ブリッジ運動はこれだけの負荷量で大殿筋を鍛えるためのもの』という知識量では少し物足りないと気づけましたでしょうか?
では本題です!
明日から臨床で使える効果的なブリッジ運動を紹介していきます!
文献、書籍を読んで大事な部分を分かりやすくまとめました。主なポイントはこちら↓
まだまだ私の知識量も不足しているので、勉強した分をここに追加していき、最終的には『ブリッジの教科書』として完成させていく予定です。
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ブリッジ運動で鍛えられる筋肉一覧
ブリッジ運動は大殿筋だけの筋力強化方法ではありません。以下の筋肉を主に鍛えることができます。
では、これらを効率よく鍛える方法について紹介します。
内腹斜筋を効率的に鍛える方法
内腹斜筋を効率的に鍛えるのは片脚ブリッジが有効です。
片脚ブリッジ動作を左右 3 回ずつ行ってもらった。内腹斜筋・腹横筋ともに安静時と比べ挙上側の筋厚は有意に増加し、支持側の筋厚は有意に減少した。
引用:片脚ブリッジ時における挙上側・支持側の内腹斜筋・腹横筋の観察~超音波画像診断装置を用いて~
つまり、片脚ブリッジは挙上側の内腹斜筋を鍛えることができます。
注意点として、支持側の膝関節を過度に屈曲(約150°)すると大殿筋の活動量が低下します。と、言っても両脚支持のブリッジより効果は大きいです。
以下の図は膝関節90°での両脚支持ブリッジと片脚支持ブリッジの大殿筋の%RFEMGを示した図です。
大殿筋を効率的に鍛える方法
結論を述べます。片脚ブリッジが最も効率的に大殿筋を鍛えることができます。片脚支持ができない場合に大殿筋を効率良く鍛えるためには以下の2つのポイントを押さえましょう。
股関節20°外転位+膝関節120°屈曲位
骨盤後傾位でのブリッジ
骨盤後傾のキューイングの例は以下に示します。
・腰を丸めて下さい
・お腹を引っ込め下さい
・お尻の穴を天井に向けて下さい
ハムストリングスを効率的に鍛える方法
外側ハムストリングス(大腿二頭筋長頭・短頭)は膝関節軽度屈曲位(約60°)にすることで効率的に鍛えることができます。
ちなみに股関節の内外転には特に影響がありません。
(外転:肩幅より大きく開く肢位、内転:両足部内側を揃える肢位)
また、両脚ブリッジよりも片脚ブリッジでハムストリングスの活動量が増加すると報告されています。
外側広筋を効率的に鍛える方法
膝屈曲150°位でのブリッジ運動により外側広筋の高い筋活動が観察されていることが報告されています。
床からの立ち上がりに必要となる膝深屈曲位からの膝伸展筋力トレーニングとして活用できる可能性を有していると報告されています。
座位からの立ち上がりについては以下で解説します。
立ち上がり動作に必要な筋はブリッジ運動で効果的に鍛えよう
立ち上がり動作時の体幹・下肢の各筋群の筋活動パターンに近い状態でのブリッジ運動を行うことによって、立ち上がり動作の基礎となる体幹・下肢筋群の運動単位の動員増加および立ち上がり動作時の離殿後からの動作における協調的な筋活動の学習に繋がり、立ち上がり動作獲得のための準備トレーニングになる。
引用:中井真吾 他;リハビリテーションにおける立ち上がり訓練とブリッジ動作の筋活動量の検討
座位からの立ち上がり動作における離殿時からの筋活動量は、大腿二頭筋長頭⇒大殿筋⇒脊柱起立筋の順番に高くなります。
ブリッジ運動で立ち上がり動作と同じ順番で筋活動を得るためには膝関節屈 曲角度140°でのブリッジ運動が好ましいとされています。
膝関節の機能向上に着目した応用ブリッジ運動
膝関節の安定性(stability)を向上させる目的でもブリッジ運動が有用です。
追加でストレッチポールが必要ですが…。
ストレッチポールを以下の図のように足の下に置いた状態でブリッジ運動を行います。
ストレッチポールが前に転がれば膝は伸展します。それを防ごうと膝を屈曲してストレッチポールを身体に近づけます。
このように膝でバランスをとりながらブリッジ運動を行うことで膝の安定性(stability)を高めることができます。
脊柱起立筋を効率的に鍛える方法
脊柱起立筋は膝屈曲角度に影響されず筋力増強の負荷が得られます。
脊柱起立筋のブリッジ運動のキューイング↓
「背中までしっかりと持ち上げましょう」
さいごに
いかかでしたか?
ブリッジ運動1つとっても様々な筋を鍛えることができます。私自身、基礎的な内容ですがまだ知らないことが沢山あることを思い知らされました。
まだまだブリッジ運動について網羅しきれていないので、引き続き学んだ内容をこちらの『ブリッジ運動の教科書』に更新していこうと思います。
更新した際にはTwitter(@kimamareha_blog)のほうで告知させて頂きます。
改めてご購入ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
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