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SW/AC通信vol.9

福祉、地域、教育などのさまざまな分野とアートをつなぐ相談事業、Social Work / Art Conference(SW/AC)がニュース形式で情報をお伝えするSW/AC通信です。今回はSW/ACの協力する事業についてお知らせです。

障害のある人の「つくること」を巡るトークシリーズ「実はよく知らないんだよ。だから 聞いてみようと思う。(中原) 」の声と手話による映像の展示

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「『CONNECT⇄__ 』 つながる・つづく・ひろがる」に参加する京都市京セラ美術館のプログラムに、昨年度からSW/ACディレクターの奥山理子が企画・運営の協力を行っています。

今年度は、自らも「つくること」や「表現すること」に携わってきた美術家・中原浩大さんを迎え、精神や発達に障害のある人の創作や表現行為の歴史、背景、現在地について、“よく知りたい・少しでも理解を深めたい人”のひとりとして聞き手となり、ゲストとともに考えるトークシリーズを実施しました。

トークの記録をもとに、京都市京セラ美術館 1階 光の広間では、演出家の村川拓也さんが手話による映像を用いて再構成した展示が行われます。

たずねる人:中原浩大
たずねられる人:上尾真道、松本卓也、福森伸
期間:12月3日(金)~9日(木)10:00~18:00 (月曜休館)
会場:京都市京セラ美術館 1階 光の広間
協力:社会福祉法人京都聴覚言語障害者福祉協会、社会福祉法人全国手話研修センター、Social Work / Art Conference(一般社団法人HAPS)


トークシリーズは、今年8月から11月にかけて行われ、5名の方々とオンラインで延べ10時間に及ぶものとなりました。これらトーク映像の記録は、現在、公開を目指して作業中です。

展示される映像では、中原浩大さんとゲストとのトークを社会福祉法人京都聴覚言語障害者福祉協会の協力のもと、ろう者の方々が手話で再現しています。このような転換について、プロジェクトチームの青木淳さん(京都市京セラ美術館艦長)はこのように言及しています。

「中原浩大からバトンを受け取ったプロジェクトチームは、障害のある方々がこのトークシリーズや美術館へアクセスしやすくする試みとして、情報保障として補助的に用いるのではなく、手話が主役となる展示への展開を模索しました。

聞こえない方・聞こえにくい方々の手話による言語表現は、私たちが普段使っている日本語ともまた少し異なります。そのため、京都聴覚言語障害者福祉協会の協力のもと、あらかじめ文字に起こした原稿から、さらにろう者に伝わりやすい原稿に翻訳しなおし、元の原稿と翻訳された原稿を手掛かりに、練習を行い、実際の音声のスピードに合わせて収録しました。

4名の出演者と彼ら/彼女らを支援する方々との共同制作をとおして、私たち関係者は多くの驚きと気づきを得ることができました。

京都市京セラ美術館の今回の「CONNECT⇄__」では、トークシリーズの実施とそれをもとに制作した映像の展示を両輪に、障害のある人の「つくる」ことを巡る対話が、より広くひらかれていくことを目指します。」

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様々な人の手を借りることで、障害のある人の「つくること」について私たちにとっても新たに学び、考えるプロジェクトとなりました。ぜひ京都市京セラ美術館での声と手話による映像の展示にお越しください。

トークシリーズの記録映像の一部を京都市京セラ美術館のYouTubeチャンネルで公開予定です。詳細はこちら

アートを通して多様性や共生を考える「CONNECT⇄__」の詳細や他の文化施設での取り組み、スペシャル鼎談映像などはこちらからご覧いただけます。

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