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高草山山頂にて播州ラーメンを食べる

今日は仕事が休みで、天気がよかったので近場の山、高草山に登った。私はいつも日帰り登山では山頂で湯を沸かし、カップラーメンを食べるのだが、今日は、「播州ラーメン」を食べた。行く前に、近所のスーパーマーケットで買った。しかし、以前の棚にそれはなかった。ご当地カップラーメンでこの店にあるのは、「横浜家系ラーメン」「佐野ラーメン」「京都ラーメン」それから地元の「焼津ラーメン」があるばかりだった。しかたなく、というか、今日の気分はカツオだしの「焼津ラーメン」だったので、それを籠に入れた。そしてその場を立ち去ろうとしたとき、別の棚に、「播州ラーメン」が置いてあった。あきらかに在庫処分の扱いだった。私は最近、この「播州ラーメン」を食べたのは、同じ店の棚の隅の方にあったのを見つけ、もうそのときから、「この商品がここに並ぶ時は長くないだろう」と思ったので買った。家で食べたらスープが甘く非常に美味かったので、「また食べたい」と思った。それが今日は在庫処分の扱いで残りわずかだった。私はすぐに「焼津ラーメン」を棚に戻し、「播州ラーメン」を籠に入れた。それから、ペットボトルのお茶とコーヒーを籠に入れレジへ進んだ。いつもならばおにぎりを二個買うのだが、今日は夏山登山で非常食として持って行ったカロリーメイトを食べるつもりだったので、おにぎりは買わず、普段は二本買うお茶を一本にしてコーヒーを一本買った。そして、車で登山口へ向かった。


登る山は、故郷の藤枝・焼津と静岡の間を隔てる山、高草山である。

普段より荷物を軽くしたため、登りが楽だった。途中写真を撮りながらいつものように登ったが、まったく疲れなかった。

焼津市が見える


山頂には誰もいなく、私だけだった。私はいつもの富士山が見える側のベンチに腰掛け、テーブルの上に湯沸かしの道具などを並べ、カップラーメンを食べる準備をした。

静岡市街と富士山

湯を沸かす間に私はカロリーメイトチーズ味を食べた。コーヒーも飲んだ。湯が沸くと、いつものようにラーメンを写真に撮ってから、食べ始めた。


うまい、うまい。
たしかに美味かった。しかし、スープの美味さは、前に家で食べた時の方が美味く感じた。たぶん、疲れているときは、塩分を欲するため、山登りで疲れた体にはもう少ししょっぱいのがいいのだろう。これはラーメンの種類によって、それに相応しい食べる場所、状況が違うと言うことかもしれない。
それにしても、山の上でひとりでラーメンを食べることはいい。私には山登りを共に趣味とする友達がいないからひとりで登るのだが、ソロ登山の魅力はたしかにある。常に友達と遊ぶ人、友達がいないでひとりで遊ぶことを寂しく思う人は、ソロ登山の魅力がわからないかも知れない。私は高校生の頃、山岳部の顧問が「私はひとりで山に行くのが好きなんです」と言っていたのを、「おまえは友達いねーんだろ」と軽蔑していたが、あの先生と同じくらいの歳になり、しかたなくしているはずだったソロ登山の魅力がわかってきた。常に友達と遊ぶ人には、それは虚しいことなのかも知れない、否定すべきことなのかもしれない。しかし、山にひとりで出かけるということの意味は、友達と遊びに行くというのとは別の意味がある。ディズニーランドやユニバーサル・スタジオ・ジャパンに行くようなテンションでたくさんの友達と山に行くのは山の魅力をあまり感じないかもしれない。そのようなハイテンションで登る山で有名なのが富士山だ。だから、私は富士山に登りたいと思わない。登山のマナーを守らない客が多そうだからだ。そういえば北アルプスも南アルプスに比べると東京からの便がいいので、かなり観光地化している。南アルプスの方が静かである。北アルプスの険しい岩山などもたしかに魅力だが、静かな南アルプスのほうを私は好むかもしれない。山と一対一になりたければ、南アルプスに行くのがいいと思う。偉大な山の頂で、ひとりで食事をするのはどれだけの贅沢か、味わったことのある者しかわからないだろう。

故郷が見渡せる

今日登った高草山は偉大な山とは言いがたいが、故郷のシンボル的な山である。藤枝・焼津に育った者でこの山を知らない者はいない。その頂で、東側の静岡市外を見下ろし、その向こうに雪を頂いた富士を見ながら私はラーメンを食べる。

ごちそうさま

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