私は統合失調症ではない

ギリシャにクソラテスという男がいた。
彼は最近、自分は統合失調症が治ったと宣言した。
そのことについて記者たちがインタビューしている。
 
記者：クソラテスさん。あなたは統合失調症が治ったと言うのは本当ですか？
クソラテス（以下、クソ）：本当です。
記者：では、もう医者には行かず、薬も飲まないのですか？
クソ：医者には行くし、薬も飲み続けます。
記者：じゃあ、まだ、統合失調症患者ですよね？
クソ：違います。私は統合失調症患者ではありません。
記者：では、障害者手帳は返納したのですか？
クソ：いえ、返納はしません、念のため。
記者：それではまだあなたは精神障害者ということですよね？
クソ：私は精神障害者ではありません。
記者：じゃあ、健常者なのですか？
クソ：健常者ではありません。
記者：じゃあ、障害者なのですね？
クソ：「私＝精神障害者」ではありません。
記者：なるほど、そういう理屈ですか。
クソ：そうです。だから、「私＝統合失調症」でもありません。
記者：それならば、あなたはギリシャ人ではないのですか？
クソ：私はクソラテスです。