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【超短編小説】ケチャップビリー

 75セントの炭酸ジュースをポケットに押し込んで、トッピング過剰なホットドッグを持って図書館の前に戻ると、ビリーが「遅かったじゃねぇか」と言ってバラ売り一本25セントのニューポート色をした煙を吐き出した。
「仕方がない、パールハーバーに寄ってたんだ」
 俺は学ランの詰襟を指で弾いた。「原子爆弾で全滅した先祖たちの復讐だよ」と続けるとビリーは入れ墨の入った下で煙草を消して「お前は忍者の末裔だと言うが、気配には鈍感なのか」と訊いた。

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