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【短編小説】とても明るく暖かい夜のGSポリスメン不惑

 春分の日にしては日差しが暑い。
 いい加減に春夏用のプロテクターを出さなければな、と考えながらバイクを走らせる。
 そういえばハンドルカバーもそろそろ取らないとな、この冬はお前のおかげで助かったよ。
 そう言って目を逸らした隙に、車のサイドミラーにハンドルガードが接触して硬質な音を立てた。
 あぁやっちまったな、と思いアクセルを開いて強引にすり抜ける。
 久しぶりにボーンヘッドをしたな、と思って飛び出た交差点はまだ赤信号だった。
 えぇいままよ、とアクセルを全開にして交差点を突っ切ると反対車線の先頭で控えていた白黒の車が赤色灯を焚きながらUターンしてくる。
 俺は次の信号待ちをしている集団をすり抜けて自転車や歩行者を撥ねないように左折をして、住宅街の中へと進んでいく。
 サイドミラーの中にいた赤色灯は遠ざかり、民家の壁にすら映らなくなった。
 ざまぁみろ、と笑う。

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