海外移住時の海外資産注意事項
はじめに
今回は海外に移住し形成した資産に関していくつかまとめておきたいと思います。ご存じのとおり日本の相続税は世界で類を見ない高い税率です。なので海外で構築した資産に対する課税の仕組みをよく理解しておくのは重要かと思います。
今回の前提としては、日本国籍を保持しており家族が家族が全員海外に移住したケースを想定しています。
注意
私は日米での税理士に関する知識はありませんしライセンスもありません。あくまで個人で調査した結果となりますので、実施に実行に移す場合は必ず税理士の方とお話しして決定してください。
10年ルール
このルールをよく理解しておかないと痛い目に遭います。10年以内に日本国内に住所が存在したかが重要な分かれ道になります。ここで重要な部分は
10年以内
住所
となります。特に住所に関しては以下の様に定義されますので熟読が必要です。USの様に何日以上滞在とかの基準はなく、非常に曖昧な表現になっています。
まぁ良くありがちな住民票を残して、海外に移住とかは結構グレーな気がします。最近はできなくなってしまいましたが一時帰国時に住民票を数ヶ月だけ入れて現地の学校に体験入学する等は、生活の本拠を移転したとは考えづらいのですね。なので、これから移住を考えている人は必ず住民票を抜いて海外へ移住することを役所に通知するのが良いかと思います。また、海外への転出後も近くの大使館での登録もお忘れなく。
この10年というのが重要で、10年以上非居住者で海外で形成した資産は、日本国内の資産とは完全に分離されます。そのため日本への贈与税や相続税の報告対象外となります。
つまりこの基準を満たす以前に、Trustでbeneficiary設定や贈与を家族にしてしまうと、報告義務が発生し贈与税課税対象となってしまいます。なのでこの10年ルールは非常に重要です。
事前の資産移動の重要性
10年ルールをクリアーし、日本への報告義務がなくなった場合に次に何をすべきかに関して自分の考えをまとめておきたいと思います。
USの場合、家族に贈与する場合の非課税枠は非常に大きいです。年間の非課税枠だけではなく、生涯での非課税枠もありそれをうまく使えば、大抵の場合は非課税で家族へ贈与ができます。
現金以外の場合は、トラストを活用しプロベートのような面倒な処理が回避できるようにしておくのも重要かと思います。ただトラストから相続者に分配があった場合は、相続者が日本居住の場合は通常の相続税の課税対象となりますので注意が必要かと思います。
アメリカSilicon Valley在住のエンジニアです。日本企業から突然アメリカ企業に転職して気が付いた事や知って役に立った事を書いています。