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半導体製造とData Science

割引あり

 今回は少し違った視点でnoteを書いてみようと思います。というのも業務でよく使うData処理が意外とData Scienceに通づるものがあるのでは?と思ってきたのでまとめておこうと思います。

自己紹介

 ベイエリア(サンフランシスコからサンノゼを含むあたり)で半導体エンジニアをしています。7年前に家族で移住しGCを取得後、大手Tech企業に転職し今に至ります。


なぜ半導体製造にData Scienceが必要か

 知っている人は当たり前と思いますが、半導体とは関係があまりない業種の方々とお話ししていると、結構ギャップがあるので初めに半導体製造の前提をお話ししておきます。

 半導体のチップはシリコンウェハ上に露光機やエッチング装置、その他多種多様な装置群を使用し作り込みをした結果半導体チップができあがります。詳しくはこちらをご参照ください。

 製品にもよりますが、300mmのウェハ上に大体1,000-2,000チップが一気に出来上がります。さらに1lotが25枚編成なので単純に1 lot製造すると、25,000-50,000のチップが一気に出来上がります。これが複数ロット(例えば、週に20lotsとか100 lots)一気に流れるので、かなりの数になることがわかります。

 さらに半導体は色々な要因が絡み合い、全てのチップが想定した動作をするということは稀です。自分もこの業界に十数年いますが見たことがないです。なので必ず歩留まり(yield)という概念が存在します。この数値をどれだけ100%に近づけるかが製造現場での主な仕事となります。

 お気づきかと思いますが、この膨大な数のチップを全数検査し出荷判定をしているので、歩留まり向上のためにはこの膨大なチップ測定Dataを統計解析や色々なData処理をし、歩留まり低下の原因追求をする必要があります。まさにこれってData Scienceですよね。

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アメリカSilicon Valley在住のエンジニアです。日本企業から突然アメリカ企業に転職して気が付いた事や知って役に立った事を書いています。