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映画 Barbie は、おもいっきり笑えるエンタメ映画だけれど、ただし、ほんとにこれでアメリカ大丈夫?

この映画、アメリカではメガヒット、他方日本では都市部のみで大人気らしいですね。なるほど、ぼくがおもうにこの映画、ゲラゲラ笑うアメリカ人の観客が多少混じっていると笑いが感染して超楽しい。しかし、観客がおとなしくまじめな日本人ばかりだといまいち盛りあがれなさそう。したがって、どの映画館で観るか、これも大事なポイントです。ぼくはさいわい隣の席がゲラゲラ笑うアメリカ人らしい母&娘だったので、さいわいでした。現代のアメリカはとっくにWASPの国ではなくなって、支配層はユダヤエリート。中産階級は崩壊し、フェミニズム~ブラック・ライヴス・マター~LGBTQで動いています。他方、オーディナリーBarbieはWASPのシンデレラガールで、享楽主義的でたのしいことが大好き。もちろんそんなBarbieは近年のアメリカの思想状況のなかでひじょうに肩身が狭い。Barbie製造元のマテル社もそれは理解していて、マテル社出資によるこの映画もこの現実を理解しています。


映画の内容紹介は、町山智浩さんのひじょうに正確な解説でどうぞ。5:36~。


さて、Barbie は金髪8等身、痩せているにもかかわらずおっぱいぷりぷりで、1959年に登場しました。オードリー・ヘップバーンとマリリン・モンローの時代です。Barbieは綺麗で裕福で、ピンク色の部屋に暮らし、買い物大好き、かわいい服をたくさん持っていて、とっかえひっかえ着て、みんなで愉しむピザパーティが大好き。人間は歳をとるけれど、しかし人形のBatbieは永遠に若い。Barbie は大ヒット商品になってゆきますが、他方、さまざまな批判も浴びます。たとえば、女の子たちにBarbieが理想の女性になった結果、拒食症の女の子が生まれるとかね。金髪の若い女性を特別視するのは差別的だ、とかね。そこでマテル社は律儀にこれらの批判に応え、さまざまな体形、さまざまな肌の色のBarbieが作られてゆきます。時代が変わればティーンエイジカルチュアも変化します。そこでrock'n'roll Barbie、Punk Barbie、Hip Hop Barbieが作られてゆきます。もちろんフェミニズムの追い風を受けて、Barbieの職業も客室乗務員、パイロットをはじめたくさんのヴァリエーションが生れます。そしてこの映画は、こういうアメリカの現代の文化思想状況を込みで、主演にいかにもオーディナリーBarbieにぴったりなブロンド痩せ型のMargot Robbie(b.1990-)を立て、いま理想の女性=Barbieとはどういう存在なのか、この問いを観客をゲラゲラ笑わせながら問いかけています。ぼくもこの映画をおもいきり楽しんだ。


ただし、最後にまじめなことを言うのも野暮だけれど、ぼくはこんなこともまたおもう。なるほど、フェミニズムもブラック・ライヴス・マターもLGBTQもあきらかに政治的に正しい。ただし、これらの正しい運動もある範囲を越えれば、ただひたすら社会に軋轢をもたらすことになって、中産階級の崩壊とともに、都市の治安は悪化し、やがて社会の秩序そのものが崩壊してしまうでしょう。そもそもアメリカは大統領選挙さえ不正がまかりとおっている国ですよ。こんな現実、それこそ政治的に正しくないでしょ。にもかかわらずそちらの方はうやむやにしたまま、文化政治の領域においては正しい思想のもとに徹底的な平等を追い求める。しかもあろうことか2014年、民主党政権のカリフォルニア州は950ドル(約14万円)以下の万引き~窃盗および薬物所持を軽犯罪と見なし、実質的には取り締まらないという法律さえ通してしまった。その法案はProposition 47 (Prop 47)。はやいはなしがカリフォルニア州においては950ドル以下の窃盗および薬物所持は、未成年者の喫煙・飲酒、大人の立小便同様のカテゴリーに格下げされたのだ。こんな法律が通ってしまった結果、もはやカリフォルニアで小売業はなり立たない。なぜこのような大混乱をもたらす法案をとおしてしまったのか? 左派政権の恐ろしさがここにあります。


おそらくアメリカは近日中に崩壊するでしょう。そしてアメリカが完全に崩壊したあかつきには、ユダヤエリートが望む、ワンワールドプロジェクトがますます影響力を持つでしょう。果たしてそんな未来は幸福でしょうか? そのときマテル社はどんなBarbie を作るでしょう?



もっとも、そんな野暮な話はともかく、この映画Barbie、なるべくアメリカ人観客がいそうな映画館でぜひ楽しんでください。なお、当日はなにか一点ピンクのアイテムを身に着けてゆきましょう。




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