和魂は本音だった!
江戸時代までは、日本の思考法は
和魂漢才
でした。これを、もう少しかみ砕くと
建前としての漢才(儒教など)
本音の和魂(現実対応の智慧)
です。ここで大事なことは
孫子の兵法を学んでも戦いには勝てない
と言う風に
漢才の限界をわきまえている
人が大部分だったと言うことです。しかしながら
儒教精神の忠孝は統治に役立つ
と言う面もありました。従って
建前として漢才を学ぶ
は推奨されていきます。
しかしどこかで本音は出てきます。例えば赤穂事件では
忠孝も大事だが乱心の殿は押し込めるべき!
との本音があったと考えると、幕府の対応にも納得がいきます。
赤穂事件の本音解釈|鈴木良実 (note.com)
さて、ここで洋才が入ってくると、この図式が変化してきます。杉田玄白達の「解体新書」翻訳は
漢方医療の五臓六腑は現実に合わない
蘭学の解剖学教科書の内臓は解剖結果に対応
と言うショックが大きな動機付けになっています。
そこで
洋才は使える
現実に合う
と言う形で
和魂の本音を押さえる
様になってしまいます。こうした形で、幕末の混乱期には
才だけで物事を行う
人達が増えて、大騒動になりました。
さて、明治維新後には
和魂の復権として
共通神話教育
が行われます。天照大神の力を皆に及ぼして、国の秩序を守ろうとしました。
つまり
江戸時代のお伊勢参り|鈴木良実 (note.com)
から
大衆が求めた天皇の神格化|鈴木良実 (note.com)
明治には国家神道が有効|鈴木良実 (note.com)
への移り変わりです。
ただし、このような
教育による和魂には
本音の力が弱い
点には注意が必要です。
現在社会には
本音を大事にした和魂
を引き出す必要があると思います。
この記事は、前に書いた
独立した和魂の力|鈴木良実 (note.com)
を進めたモノです。
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