自分で作る経験
自然科学、特に物理学を応用して、現実の物づくりに生かすことは、色々な分野で行われています。ただし、歴史的には、先に物ができて、その後に理論が、追いかけています。
例えば、建築の世界を考えてみましょう。古代から、多くの建築物が作られました。これは、経験的な智慧の積み重ねです。その後、17世紀にガリレオが
片持ち梁はなぜ根元から折れるか?
という問題を
学問の対象
として考えました。これが、材料力学や構造力学の始まりです。その後、機械が色々と造られ産業革命になります。産業革命で、代表的な蒸気機関も、最初は経験的なものから始まりました。現在の私たちなら、常識で分かる
熱で蒸気を発生させる部分と水に戻す部分の分離
が18世紀のワットの発明です。其の後、熱力学が充実し発展したのは19世紀以降です。
一方、電気系の機械は、19世紀以降の理論が先行した物作りになります。
電気は見えない
ので、理論的知識の力が必要なのです。そこで
理論的なモデルを実現する
モノ作りが、進んでいます。
現在の私たちは、こうした
先に理論検討ー>その後モノづくり
という流れを、当たり前と思っている人が多いのです。
しかし、歴史的に見ると
現実の何かー>理論的説明を考える
流れも多くあるのです。
昭和の時代なら
子供は模型飛行機や鉱石ラジオ
を作る経験がありました。こうした実体験が少なくなって
理論先行
が現在の状況です。
しかし、今あるモノを試行錯誤しながら改善する。さらにそれを
手持ちの知識で説明する努力
等の体験が、私たちに必要ではないかと思います。
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