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【この気持ちもいつか忘れる】


※ネタバレありです。

昨年末のこと。
この本に出会う前に、ふと今、何かを好きとか、誰かを好きとか、そういう気持ちっていつか忘れちゃうんだろうなっていう思いが頭の中を通り過ぎていったの。

そんな事を考えて何日か経った時に、フラッと本屋さんに行ったら、まさに今、私が考えている事がタイトルになっていた住野よるさんの小説に出会ったの。
実はその時、気になったけど、まだ読んでない本が家に沢山あるからって手にするのをやめた。
だけど帰ってきても気になっちゃって、次の日また本屋さんに行くっていうね。笑

いつか忘れちゃうんだ

音楽活動をするようになってから、あまりの忙しさに、今まで好きだったものへの熱が冷めていくのを感じてた。
あんなに夢中だったのに、あの時の私はどこにもいなくて、その時の熱が全て音楽活動に吸収されちゃったような感覚。
だからその分、寝るのも忘れて夢中で音楽活動ばっかりしていたけど^^

昨年はスローペースで活動をしていたから、心に隙間があって、音楽以外の “スキナモノ” を沢山感じる事が出来た。


2021年は忙しくしそうな予感がしてたから、そんな事を考えていたわけなんだけど。

こんなセリフがあるの。

『音楽を初めて好きになった時の衝撃や、高校時代にあんなにあんたのことを嫌いだったこと、事実としては覚えてるけど、もうあの気持ちを抱くことは出来ない』


『嘘になんてならない。私達は忘れていく。どんなに強い気持ちもちょっとずつすり減って薄れて、かすれていく。でもその時の自分の気持ちが嘘だったことには絶対にならない。あの頃、死にたくなるほど退屈だったことも、大好きになれるバンドと出会って変わろうと思ったことも、‥‥‥‥一つも嘘じゃない』

忘れていく。

嘘ついてたみたいになっちゃったなって、ずっと思ってた気持ちがあった。
けど、これを読んで気付かされた。
あの時またみんなでライブしたいって思ったのも、みんなでツアーしようって言った気持ちも、本気でそう思ってた。一つも 嘘じゃなかった。ただ 忘れちゃっただけなんだって。

忘れていく。
だから今、
何かを好きって気持ちも
誰かを大切にしたいって気持ちも
泣きたくなるくらい 悔しい気持ちも
不安に駆られる気持ちも
誰と音楽をしたいのかも
もしかしたら 1年後の自分の隣には、今とは違う人がいるかもしれないから、今の気持ち全部大事にしたいって思った。ちゃんと味わい尽くして、そして、昇華させる。
なんでも作品に出来てしまうのは、シンガーソングライターのいいところだよね笑


忘れてもいい。


忘れてもいいんだよ。

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