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パレットクラブ日記 第30回・尾崎行欧先生「『イラストレーション』の表紙を描く」

※パレットクラブスクール「イラストコース」(23期)の授業内容の備忘録です。過去の授業内容はこちら

今回の講師は、アートディレクターの尾崎行欧さん。玄光社「イラストレーション」誌の表紙を毎回手がけられている尾崎さんからの課題は、ずばり「『イラストレーション』の表紙を描く」!

いやいや、いつかそんな日が来たらいいなとは思うけど、正直、高嶺の花すぎて想像もできません……。と、生来の弱気が頭をもたげてきたところを強引に押しやって、半ばやけくそ気味にイラストを描く形になった。

制作したイラスト

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テーマは自由。何を描いていいかわからなかったが、足を組んだ女性が描きたくなったのでモチーフに選んだ。サイズは175×175mm。足だけ少しはみ出させている。フューシャピンクの椅子に座らせるあたりが、菊地敦己先生に「ギャル志向」と言われてしまうところなのかもしれない。

授業

前半には、尾崎さんがイラストレーターとお仕事をする際の進め方の紹介があった。

「Fashion イラストレーションファイル 2020」の表紙イラストの unpis さんや、河川財団パンフレットの山下航さんとのやりとり。「イラストレーションファイル 2021」表紙イラストのJUN OSONさんや、嶽まいこさんとのやりとり。

最新号の「イラストレーション」誌の表紙を描かれた北澤平祐さんは、今回の授業にあたって、制作の進め方がわかる資料を提供してくださったそうだ。下書きからペン入れ、彩色、修正に備えてバックアップをとるタイミングなどがわかり、とても勉強になった。感銘を受けたのは、雑誌の表紙を制作する上での北澤さんの細やかな心配り。信頼されるイラストレーターのお仕事という感じがした。「イラストレーション」、買ってこよう。

講評

今回は、先生が各自の絵を表紙デザインにレイアウトして見せてくださるという、豪華版の講評となった。それぞれに合わせて色やフォントを選んでいただき、本物さながらの見た目になったことに感激した。ここではお見せできず、残念。

表紙イラストと、各自の Instagram などをプロジェクターで映し出しながら講評をいただいた。床山へのコメントは以下の通り。

人物の顔、目の表現は印象がつきやすく、時代を象徴するもの。「今までにもあった」と感じられると、この人にぜひ依頼したい、とは思われにくくなってしまう。ファッションイラストは、時代の流れに合ったものを描くのが大切。顔に「今までにない感じ」が少しあると、もっと広がってくる感じがする。

「今の雰囲気の顔」を描く。難しいが、大切なことだ。今っぽい顔を描くイラストレーターとして、先生は牛久保雅美さんを例に挙げられていた。今っぽさというのはどういうところに現れてくるのか。もっとインプットを多くして、研究していきたいと思う。

じっくり考え、言葉を一つ一つ選びながらお話しくださった尾崎先生。時間を大幅に超えての授業となったため、残念ながら全員分の表紙を見る前に帰途につくことになったが、今回の授業も心に深く刻まれるものになった。尾崎先生、ありがとうございました。

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