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ネイルサロンに行ってみたら日常が華やかになった。

私のまわりには、ネイルをしている友達が何人がいた。シンプルな艶のあるデザインをしている人もいれば、派手にたくさんパーツを付けている人もいる。彼女たちはネイルを変える度に、嬉しそうにネイルの話題で盛り上がっていた。

だけど私はその会話には参加できなかった。なぜなら、ネイルサロンに行ったことがなかったから。

爪をかわいくすること自体には興味があって、大学生の頃からマニキュアを自分で塗っていたけれど、サロンに行ってやってもらったことはなかった。自分でマニキュアを塗れば数百円で済むものを、何千円もかけてやってもらうのがもったいないと思っていたのだ。それに私はマメな性格じゃないから、定期的にサロンに通わなければならないことに不安があった。

だけど、友達たちがいつもネイルの話で盛り上がっているのを見て、「そんなにいいものなのか、ネイルってものは」と思い、急に自分もやってみたくなった。新しく始めたバイト先がネイルOKなこともあり、なおさら興味が強くなった。

慣れないバイトを始めてようやく少しお小遣いを稼げるようになった自分にちょっとした楽しみを設けようと考え、ドキドキしながらサロンを予約。

初めてのことなのでネイルの基本的なことも何も分からず緊張したけれど、何日も前から楽しみにしていた。

そして当日。少し伸ばした爪を綺麗な形に整えてもらって、ジェルネイルを施してもらった。

お店では澄ました顔してお会計まで済ませてきたけれど、お店を出た瞬間、自分の爪を見てニヤニヤしてしまった。自宅で爪切りで切るだけではこんなに綺麗な形にできないし、自分でマニキュアを塗る時は単色で塗るだけで何もアレンジできなかった。そんな私の爪が、キラキラと艷めいている。

爪の色が変わったくらいでは差程大きな変化ではないはずなのに、その日から私の気分はすっかり変わった。

暇になるとついうっとりと爪を眺め、光に当てて動かしてみる。整えてもらった爪先を指でなぞり、その滑らかさを実感する。そして「来月は何色にしてもらおうかなぁ」と考え、次の予定を作る。それだけで、私の人生はかなり華やかになった。「あと〜日バイト頑張ったらネイルに行ける!」と思うと、早起きして8時間働くことも乗り越えられた。

世の中のネイルをしている女性たちは、こうやって自分の人生に自分で楽しみと変化を作って生活していたんだなぁと気付いたし、まわりの友達たちがあんなにネイルの話で盛り上がる訳が分かった。

これで私も、自分を自分で満たして明日を生きる女性への仲間入りだ。次はどんなデザインにしてもらおうか、今からとても楽しみにしている。

自分の書いた言葉を本にするのがずっと夢です。