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芹沢怜司怪談蔵書まとめ

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連載していたホラー小説のまとめです。
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2022年1月の記事一覧

芹沢怜司の怪談蔵書「23.火の玉の悪戯」

 うォぉオおお……  玄関に入ると呻き声が聞こえてきた。無事に帰ってこれたのに今度は何な…

芹沢怜司の怪談蔵書「24.座敷童の供物」

「どうやら電話越しでも大丈夫みたいだよ」  本には知人の怪談話が書かれていた。電話越しで…

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芹沢怜司の怪談蔵書「25.魂を抜くカメラ」

 階段に傘を持った赤子がいる。  これは『傘を持つ赤子』という怪異だ。今ほど自分が男性で…

芹沢怜司の怪談蔵書「26.土地」

「風呂場には近付かないようにね。ああ、そこの部屋はスキマ女がいるから連続で出入りしないこ…

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芹沢怜司の怪談蔵書「27.病院の受付」

 ―アパートの管理人― 「こんにちは。お掃除中失礼します。これからお世話になります芹沢怜…

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芹沢怜司の怪談蔵書「28.恨みのお触書」

 真夜中の町を歩いていると、別の世界に迷い込んだような錯覚に陥る。  化物に見つかったら…

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芹沢怜司の怪談蔵書「29.老婆の晩酌」

 ヒィヒィと息を乱しながら図書館まで歩いた。いくら運動不足でも二十分歩いたぐらいで疲れるはずがない――と思っていたのだが、予想以上に坂道が多くて体力を削られてしまったのだ。  入口の傍にあるベンチに座って息を整える。帰りも坂を上ったり下ったりするのかと考えるとずっとここにいたくなる。  少し汗が引いたところで図書館に入り、カウンター周辺で目的の怪談コーナーを探すも見つからず、司書に聞いてみると図書館の一番奥にありますよと案内された。普通はカウンターの近くにあるものだが、怖い

芹沢怜司の怪談蔵書「30.霧の中のピエロ」

 怪談を読み終えた直後だ。ギィギィと、真横の家から扉が開くような音が聞こえてきた。相当古…

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芹沢怜司の怪談蔵書「31.13月1日」

「霧が出てきたね。もう外には出れない」  徐々に霧が深くなってくる。今はまだコンビニがハ…

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芹沢怜司の怪談蔵書「32.手を振る人」

「さあ、続けようか」  一気に進めることに若干の抵抗感はあるが、いずれは終わるのだ。それ…

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