一年生だった時のこと


大学を卒業し、新社会人として入社したばかりの頃は、とにかく言われたことに取り組むのが精いっぱいでした。

聞いたことのない言葉や、緊迫した状況の中で、指示を正確に聞き、応えていくことで仕事を覚えようと必死でした。


そして一年が過ぎ周囲を見渡す余裕ができた頃、

この会社にはマニュアルが存在しないことに気が付きました。


中でも、マニュアルがない状況で私が特に悩んだことは、

自分は金型技術者以前である ということでした。


金型の成り立ちや技術を身につけて、早く役に立ちたいという思いがある一方で、社会人として必要なことを身につける機会がないまま時間が経っていくのでは・・・と思ったのです。


とはいえ、じゃあ社会人として必要なことはなんだろう・・・と考えると、そのテーマがあまりにも広大かつ捉え処のないテーマであることに圧倒されました。

と同時に、ほんの少し先輩なだけの私が、教えられることなんてあるのだろうか。と自問自答しました。


そこで、色々考えた結果、

社会人に必要なスキルは〇〇である!や

××でなければいけない。 などのマニュアルはいらないと感じました。

なぜなら、私が新入社員だった頃そのようなマニュアルが欲しいとは思わなかったからです。


そこで、このマニュアルは、

まず私に経験や感じたことをありのままに綴り、そこから考えたことを記してみようというスタンスで始めることにしました。


ただ肯定したり、こうであるべきと強制するような内容ではなく、「私はこう考えたよ」と示すことで、なんとなく正しい方向へ導いていったり、その考えや方法は間違っていないから大丈夫だよと安心感を与えるように意識しました。


新入社員が抱える不安は大きなものです。

不安で心がいっぱいになり、あっという間に一歩先さえ見えなくなりなります。

そんな時に、次のステップを考えられる余裕が生まれるきっかけになるようなものを提供出来たらと思っています。


正解や答えを示すものではないのが、私のかいたマニュアルです。