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ある世界線─ルナ・カヲル─

『胸いっぱいのアイと情熱をアナタへ』|まくら|note

↑こちらに登場する
女性達の、あったであろう
世界線のお話です。





いつものカヲルとルナ。
同じ学校で大親友。



放課後の校舎。
夕焼けの光があたたかく2人を照らす。

「ルナ、ツインテールやめたの?」
「ん〜。ツインテールに
戻した方がいいかな?」
「頑張ったんだ。かわいい♡」
「ちょっと!からかわないでよ〜。
あたし、めっちゃ緊張してるんだから」
「ごめん、ごめん。
今日の髪型も可愛いよ」
「ほんと?コテとかで、
めっちゃ巻いたのに、
もう取れそうなんだよね」
「自然な感じで、すごく可愛いよ」
「う〜ん。なんか、恥ずくなってきた」

鏡を見ながら、髪型を気にしているルナ。
転校生に告白すると決めた
彼女は一人で百面相をしている。

どんな表情も可愛いよ。

やんちゃで、強がり
一人狼だったルナと
仲良くなれたのは偶然。

でも、私には必然で、
運命だと思った。

ルナの告白を応援している。
なのに、心のどこかで
寂しい気持ちがするのは
なぜだろう。

「いつから好きになったの?」
小声でルナ向けて呟いた。

鏡を閉じて、
真っ赤な顔をして私を見るルナ。

「違うし!ほら…あの……最近の…」
ポツリポツリと
恥ずかしがりながら
最近、あるキッカケで
自分が転校生の事を好きなのに
気づいたらしい。

好きだと気づいてから
自分から告白すると決めたらしい。

あまりに彼女らしい考え方。

「あたって砕けろっしょ!!」
そう言ったルナの表情は
キリッとしてて、カッコイイ。

「戻っておいでね」
「砕けるの前提?!
砕けたらスイパラで
めっちゃ食べまくるしぃ〜!」
「奢ってあげなきゃ」
「砕けるの前提じゃん!」

プンとむくれた右頬を
人差し指で突く。

「応援してるよ」
自分の気持ちに蓋をして
嘘を口にする。

「ありがとう♡カヲル大好き♡」
ニコニコと笑顔になった彼女に
私もうまく笑顔で返せていただろうか。

「わたしも大好きだよ」
ルナに向けて言う。

大好きだよ。

誰に告白するのか?
本編登場している人物だと……?!




『スズ、何笑ってるの?』
「ん?これこれ」
そう言ってスマホを冴子に渡す。

『これ何?』
「2次創作♥ウチラの話が
書かれてるって聞いたから検索したら
ヒットしたw」

冴子は、クスッと笑うと
私にスマホを手渡す。

「野郎同士もあるよw」
『え!それってあの2人とか?』
「そそ。かなり面白くてさぁ」
『悪趣味』
「え〜。現実主義の冴子には、
この感動は伝わらないかぁ〜。
2次創作はファンタジーよ♥」
『………』

それから私は、
今まで見たこともない冴子の
うんざりした表情を無視しながら
noteに投稿された、
まくら氏の作品と
ちピロ氏の作品。
2次創作のスズムラ氏の
作品の話を続けた。



「わたしは大丈夫だよ」
「あたしだって、平気だしぃ〜」
「お互いナイフが得意ってさぁ」
「「運命!」」

あはははは
やっばっ、涙出るほど
笑える。

「カヲルもわかった?」
「すぐに分かったよ」
「あたしも〜」

女子特有のおしゃべりが弾む。
夕日が落ちかけ、
夕焼けに照らされ笑う少女達。

学校の校舎、
放課後に会話を楽しんでいるような2人。

しかし、2人が
いる場所は錆びついた外階段。
これから向かうのは
ファーストフード店でも、
お互いの家でもない。



向かうは地獄。
死に場所へ。
否、2人は死ぬ気はない。

生き抜いてみせる。
自分の為、
そして自分を信じてくれた人の為。


大丈夫だよ。
あたし達強いもんね♡


ジジジ……ジッ

インカムから聞こえてくる声に
安心する。

「めっちゃ遊んで来ようね♡」
「お仕事ですよ」
「まじめ〜マジうけるわぁ〜」

私の髪の毛代、請求するんだから!
絶対に生きて帰る。


まくらさんの
『胸いっぱいのアイと情熱をアナタへ』
最終章に入りました。

今なら、リアルタイムで
楽しめます!ヾ(≧∇≦*)/やったー



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